CA Technologiesは8月9日、データ保護ソフトウェアの新版となる「CA ARCserve Replication r16 SP2」「CA ARCserve High Availability r16 SP2」を発表した。8月22日から提供する。
ARCserve ReplicationとARCserve High Availabilityは、データをリアルタイムに複製して、障害時の代替運用手段を確保するためのソフトウェア。今回の新版では、ネットワークアドレス変換(NAT)環境下にあるサーバとネット上にあるサーバの間で相互にレプリケーションとリストアができるようになっている。遅延の大きいネット回線などでデータを高速に複製する機能である「マルチストリーミング」機能や暗号化機能と併用することで、災害対策時のデータの複製先としてクラウド上の仮想マシンを活用しやすくなるとメリットを説明している。
新版の新機能として、Active Directoryドメインに参加していないワークグループのサーバ間でもファイルやフォルダのNTFSアクセス権(ACL)を複製できるようになっている。複製先でアクセス権を設定する必要がなくなるために、特にファイルサーバの災害対策や冗長化がより簡単に展開できるようになるという。
今回のr16 SP2では、ネットワーク使用率を制御する帯域制御機能が強化されている。時間帯を指定するだけでなく、曜日指定もできるようになっている。例えば「エンドユーザーの回線使用量が高い平日の日中は帯域を制御して、データ複製による転送量を抑え、週末は帯域を制御しない」といったことができるようになる。
ブロックレベル同期の性能も改善されている。前版までは、ブロックレベルで同期するには、複製元となるマスターサーバのディレクトリ情報を取得するために、マスターサーバ上でのデータ更新を一時的に停止させていた。
新版でのブロックレベル同期では、ファイルレベル同期と同様にVSSスナップショットを活用して、ディレクトリ情報を取得するように仕様が変更されている。グループウェアのようにデータベースと細かいファイルが混在する環境でブロックレベルで同期しても、マスターサーバへのアクセス停止を気にする必要がないとメリットを説明する。
税別価格はARCserve Replicationが9万8000円から、ARCserve High Availabilityが年間のメンテナンス込みで22万8000円から。