着実な成長を続け、いよいよ5000億円企業となる大塚商会。この大きな節目を迎え、同社は次なる1兆円企業に向けてどのようなシナリオを描いているのか。そうした規模拡大路線についてどう考えているのか。ぜひ聞いてみたい。
「現状の決算説明では事業ごとにデコボコした業績の話になっているが、クラウド事業が中心となる5年後には、フラットな業績を着実に積み上げていく話になるだろう」
(富士通 加藤和彦 取締役執行役員専務)
富士通が7月27日、2012年度第1四半期(2012年4-6月期)の連結決算を発表した。CFO(最高財務責任者)を務める加藤氏の発言は、その発表会見で、クラウド事業が中心になったときに決算の内容がどう変化していくか、を問われて答えたものである。
加藤氏によると、クラウド事業の売上高は2011年度の実績で約1000億円、2012年度は1500億円を見込んでいる。四半期ベースのアベレージは250億円に達した実績があるが、2012年度第1四半期は200億円弱(前年同期比15%増)にとどまったという。これをして同氏は、「第1四半期にあと50億円積み上げることができれば、年間2000億円という強気な話になったかもしれない」と語った。
富士通 加藤和彦 取締役執行役員専務
また、クラウド事業が今後、富士通の収益構造にどのような影響をもたらすのか、との質問に対し、加藤氏はこう答えた。
「クラウド事業では、現在国内外で展開しているデータセンターの増強が収益にも大きな影響を与えるようになってくるだろう。プライベートもパブリックも合わせたクラウド事業は今後5年間、売り上げベースで年平均2ケタ以上の高い伸びを見込んでおり、とりわけデータセンターの増強が急がれる」
そして、「クラウド事業が中心になってくると、1案件あたりの売り上げ金額は小さくても全体のボリュームが膨らめば、収益構造として安定した形になってくる」と話したあとに、現在の決算内容と比較する形で語ったのが冒頭の発言である。
さらに加藤氏は、「クラウド事業ではデータセンター設備とともに、ネットワークを含めたシステム構築力がキーになるが、この分野はまさに富士通の得意とするところだ。さらにクラウド事業で今後ますます重要となるセキュリティや大量データ処理技術も、富士通の付加価値として提供できる」と強調した。
デコボコがフラットに、という加藤氏の発言はいかにもCFOらしいと感じた。ただ、クラウド事業が本当に安定した収益構造をもたらすのかどうか。注視していきたい。
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