だからこそ、パートナー数も着実に増えてきているのだろう。Googleにおけるエンタープライズ事業の歴史はまだ浅いが、もはやIT分野では圧倒的なブランド力を誇るだけに、企業ニーズをしっかりとつかめば、一気に加速する可能性もありそうだ。
「7億人以上のユーザーにネットサービスを提供するYahoo!を率いることができて光栄だ」 (米Yahoo! Marissa Mayer CEO)
米Yahoo!の新CEOに、米Googleで副社長を務めていたMarissa Mayer氏が7月17日(現地時間)、就任した。Mayer氏の発言は、その際に自身の心情を示した声明の冒頭の言葉である。
米Yahoo! Marissa Mayer CEO(提供:James Martin/CNET)
Mayer氏はGoogle創業当時からのメンバーで、同社初の女性エンジニアでもある。13年間勤務したGoogleではこれまで、製品マネジメント担当幹部として主力製品の検索やGmailなどのサービスのユーザーエクスペリエンスなどを担当。直前まで、地域情報サービス担当副社長として同社の強化事業である地図およびロケーションサービスを統括してきた。
Yahoo!からすれば、各種サービスで後塵を拝してきたGoogleからMayer氏を迎え入れるのは願ってもないことだろう。まさに話題性十分の人事だが、Yahoo!の低迷が長期化しているだけに、Mayer氏がYahoo!再建という重責を果たせるかとなると、厳しい見方も少なくない。
Mayer氏が取り組まなければならない課題は山積している。まず、ビジョンの確立やそれに基づく戦略の立て直しが急務だ。そして、ステークホルダーの信頼をどのように回復していくか。一朝一夕では解消しない難題が立ちはだかっている。
もちろん、Mayer氏は冒頭の声明に続けて「勤勉な従業員たちとともに、革新的な製品、コンテンツ、パーソナライズされたエクスペリエンスを世界中のユーザーおよび広告主に提供したい」と語るように、そうした課題に果敢に立ち向かっていく構えだ。
この人事とともに驚いたのは、Mayer氏自身の妊娠をすぐに発表したことだ。出産は10月予定というから、まさにYahoo!建て直しの最初の重要な時期に、出産という女性の大イベントも迎える。Mayer氏は産休の間も仕事をするという。凄いの一言である。公私ともにしばらく注目を集めることは間違いなさそうだ。
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