「は……では、前から僕が思っていた問題意識に沿って、お話をさせて頂くってのは、いかがでしょう?」
「おぉ、何?それ。おもしろそうだな」
「えぇ。確かに、僕達のようなコンサルタントはITのことを副社長よりかは、ものすごく勉強しています。だから、副社長よりもよく知っています。ただ、そんな僕たちも、きちんと学習したって感じではないんです。大学を出て、コンサルティング会社に入って、そこでなぜかプログラミングをやって、あとは情報システムの企画や業務改革計画なんかを作ったりして、いつのまにかITの輪郭と内容を掴んで、人に説明できるようになってきたってのが、実情です」
「ほう、それで?」
「言いかえれば、経営全体にどのように役に立つものなのか? というのは、筋道立てて教えてもらったりしたことはないんですよね」
「で、どうするの?」
「はい。どうしてこういうことを言っているかと言うと、例えば、企業経営という領域においては、ドラッカーの『マネジメント』とかの経営の教科書的なものがあって、マネジメントの存在意義から、マネジメントを構成する要素、その組み合わせ方を体系的に知ることができます。当然、ドラッカーの『マネジメント』を知っているからと言って、経営ができるというわけでもないですし、『マネジメント』が100%経営の実態を表しているかというと、そういうわけでもありません。ただし、多くの経営者に支持されている」
「うん。で?」
「はい。でも、支持されているってことは、そこに何がしかのエッセンスが詰まっているってことなんだと思っています。そういった体系性を、実は副社長は必要としているんじゃないかと、僕はずっと考え続けていたんです」
「う~ん、そうなのかなぁ……。よくわかんないんじゃけど、あってるような、あっていないような……。で、体系って何よ」
「さっき言いましたよ」
「え、わからんかったが」
「……」
「ん? 不満?」
「いいえ、すみません。僕が間違っていました。言い直します--ITの存在意義、ITの構成要素、ITの活用方法ってあたりです」
「それっぽくて、いいんだけど、どうしてその3つなの?」
ITを体系的に理解するということ - (page 2)
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