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コンサルティングの現場から

ITを体系的に理解する:ITの歴史は「伝票・台帳・帳票の進化」

宮本認 (ガートナー ジャパン)

2012-09-04 12:00

 経営者として、ITの勘所をちゃんと理解しておきたい。しかし、それを体系的に教えてくれる書物は見当たらない——。

 本連載は、副社長のこんな問から始まりました。そして、辣腕コンサルタントの宮本認氏であっても、ITが経営全体にどう役立つものなのか、筋道を立てて教えてもらった経験はないといいます。

 とはいえ、副社長たってのお願いをむげにするわけにもいきません。宮本氏は前回、自身の問題意識に沿って、ITを体系的に解説すると約束しました。今回の副部長との対話は、次のような流れで進みます。

第3回 サマリー

・ITの進化は『伝票・台帳・帳票の進化』と『文書の進化』に分けられる
・伝票・台帳・帳票のIT化は、伝票をまとめて処理するところからスタートし、ホストコンピュータを使ったオンラインシステムに進化した
・このころからITを競争優位に使おうという企業が出始め、実例として差がつくことが生じ始めた
・そして、オープン化という技術革新によってコンピュータがより安価になると、伝票・台帳・帳票系のシステムは、ERPという一つの完成形を見た
・ただし、ERPの活用に関しては、ITを競争優位で使おうという人間の判断のところで、幸運な企業とそうではない企業を分けることとなった


 まずはビジネスの世界にITを持ち込んだ先駆者、ゼネラル・エレクトリックの例を見てみましょう。GEはITで何をはじめたのでしょうか。(ZDNet Japan編集部)

電卓、伝票、台帳、帳票

画像はイメージです

「じゃ、副社長、始めますか」
「えぇ、どうぞ」
「あらかじめ断っておきますが、何の準備もしていないので、もしかすると厳密には正しくないこととか、言っているかもしれませんが、そのあたりはご容赦ください」
「うん。でも、必要最低限の流れだけ抑えておけばいいってことを、しゃべろうとしているわけだな?」
「そうです。えぇ、まず最初ですが、何年前かは忘れましたが、ITをビジネスで一番最初に使ったのは、GE(ゼネラル・エレクトリック)って言われています。世の中の経営的な進化は、大抵GEが作っているといっても過言ではないかもしれないですね。源流をたどるとGEだっていうのは、結構多いらしいですよ。そういうGEが最初に使ったのは、まぁ、今から考えると電卓みたいなものです。用途は、伝票を集計して帳票を作るってところでしょうか。何万枚、何十万枚もあったんでしょうから、集計して計算するの、大変だったんでしょうね。言ってしまえば、ITを電卓と台帳と帳票作成の道具として使うところから始まった」
「そうかぁ。そう言えば、うちも立ち上げたばっかりのころは、伝票を○○奉行に入れてたなぁ。そのために事務職を一人、雇ったもんな。ちなみに、その人が今のCFOのMさんだよ」
「え、えぇ!? そーなんですか? だからMさん、迫力あるんだぁー。経験が違いますねぇ」
「そーだよ。想像つくだろ?」
「で、副社長。この進化、何年くらい続くと思います?」
「え? どこをスタートにするの?」
「さすが社長、賢いですねぇ。ちなみに、日本では金融業がこれを使い始めたと言われています。それがだいたい60年代。アメリカから遅れること10年ですね。でも、この10年、大きな溝なんですよ。伝票を貯めて帳票にするという機能が、結果的に30年くらいも続くようになりました。経理部電算課とかがあった時代ですね。この名残は未だに地方に行くと残っています。農協のシステム部門は、電算課ってところが結構残ってましたし、データセンターのことも電算センターって言うことが多いですね。これに、大きな進化が起きます。それは、いつ頃だと思います?」
「うぅん……」

オンラインの登場

「うぅん、そーだなぁ……オンラインじゃない?」
「え?」
「当たりでしょ?」
「当たりです……」
「宮本君の考えることは、なんとなく想像つくんだよなぁ」

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