アイ・ティ・アール(ITR)は9月5日、市場調査レポート「ITR Market View:SOA/連携ミドルウェア市場2012」を発刊した。2011年度の国内のビジネスプロセス管理(BPM)とビジネス活動監視(Business Activity Monitering:BAM)の市場は前年度比17.9%増の約61億円になったという。
2011年度の国内BPM/BAM市場は、シェアの上位から中堅にかけてのベンダーの出荷金額は軒並み増加したことに起因しており、大企業への導入が進んでいるという。2012年度も前年度比18.9%増と引き続き大きな伸びを予測している。

2011年度の同市場でのベンダーシェアは、IBMが堅調な売り上げで1位を維持、2位のSAPは出荷金額が前年度から41.4%増と大きく伸ばして、IBMとの差を縮めている。3位のインフォテリア、4位のアプレッソが前年度と同様に続く結果になっている。ITRシニアアナリストの甲元宏明氏が以下のようにコメントしている。
「厳しい国内経済状況を受け、事業全体のビジネスプロセス改革への取り組みを始めるユーザー企業が増えている。このニーズに応えるには、単にBPMソフトウェアの機能を強化しても有効ではなく、ビジネスプロセスの標準化や業務改革の提言といったコンサルティング的な支援が必須。外部コンサルティング企業とのパートナーシップなどのユーザー企業への支援体制を整備することが、BPMを扱うベンダーやSIerにとって重要な課題になるだろう」
レポートは、BPM/BAMのほか、アプリケーションサーバやエンタープライズサービスバス(ESB)、複合イベント処理(CEP)、電子データ交換(EDI)ツール、データを抽出変換ロードするETL、ファイル転送という7つのソフトウェア分野の動向を分析している。
2011年度の各市場を見ると、アプリケーションサーバが前年度比6.7%増、ESBはクラウド需要から同17.9%増、CEPは同175.7増と高成長を継続、EDIツールはリプレイス中心で同2.0%増、ETLは同4.1%、ファイル転送は同11.1%増と2桁成長を維持している。