トップインタビュー

セキュリティは性悪説の世界と認めよう--チェック・ポイント 藤岡社長

聞き手:冨田秀継 文・構成:三浦優子 撮影:中原希実子

2012-09-06 13:06

 ファイアウォールで知られるチェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズは日本に進出しているセキュリティベンダーの中で最も成功している1社である。

 しかし、昨年同社の社長に就任した藤岡健氏は「日本企業のセキュリティ対策はまだ十分ではない」と対策の見直しを訴える。

 これはゲートウェイでの対策をとる企業が多いものの、それ以外のエリアの対策には未着手という企業が多いからである。「同業種・同規模の米国企業と比較すると、セキュリティ製品の導入比率は米国5に対し日本は1に留まる」と藤岡社長は指摘する。

 攻撃が以前と比べ大規模になり、より影響の大きな内容へと変化していく中、企業はどのような対策をとるべきなのか。

 各界のエグゼクティブに価値創造のヒントを聞く連載「ZDNet Japan トップインタビュー」。今回はチェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズの藤岡健社長に、日本企業のセキュリティの現状、同社ビジネスの展望、そして藤岡氏自身のマネジメントスタイルについて聞いた。

--2011年4月にチェック・ポイントの社長に就任されました。セキュリティ業界にどのようなチャンスを見込んで入社されたのですか

 ご存知の通り、セキュリティは多くの領域と関わっています。しかし、残念ながら日本のお客様はファイアウォールとゲートウェイ対策しか使っていないというのが率直な感想です。だからこそ、チェック・ポイントの価値をもっと訴求できるかな? と考えたことが、私が移籍を決意した要因でもあります。

 ワールドワイドで見るとファイアウォール市場の1位はシスコですが、2位がチェック・ポイントです。日本でも企業向けファイアウォールで24%としっかりシェアを持っている。ただし、最初にお話ししたように日本ではチェック・ポイント製品の一部しか活用していない企業が圧倒的に多いんです。

 セキュリティ製品の導入状況の調査によれば、米国の同業種・同規模の企業と比べると、日本が1に対して米国の企業は5だといいます。日本企業は専用線を使っているという背景があるにしても、日本は対策に未着手のエリアが多いのです。

--具体的にはどのエリアが未着手なのでしょうか

 ファイアウォールとゲートウェイ以外の全エリアです。チェック・ポイントには「Software Blade」という段階的に必要なセキュリティ対策を導入できるソリューションがあります。一気に全ての対策をするのではなく、柔軟性と拡張性に優れたセキュリティアーキテクチャです。

 しかし、例えば「Check Point DLP」というドキュメント流出を防ぐことができる製品は、日本企業にとっても十分に役立つ製品だと思うのですが、他の国に比べ日本での導入スピードはスローですね。

--ファイアウォールとゲートウェイ対策に留まる要因は、何にあると分析していますか

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