本連載「松岡功の『今週の明言』」では毎週、ICT業界のキーパーソンたちが記者会見やイベントなどで明言した言葉をいくつか取り上げ、その意味や背景などを解説している。
今週は、トレンドマイクロ 大三川彰彦 取締役副社長と、日本オラクル 飯尾光國 執行役員の発言を紹介する。(ZDNet Japan編集部)
「当社は“セキュリティソフトの会社”から“難しいセキュリティを簡単にする会社”になる」
(トレンドマイクロ 大三川彰彦 取締役副社長)
トレンドマイクロが8月30日、コンシューマー向けセキュリティソフト「ウイルスバスター クラウド」の最新版と、Android OSを搭載したスマートフォン/タブレット端末向けセキュリティソフト「ウイルスバスター モバイル for Android」の最新版を発表した。大三川氏の発言は、その記者会見で、これら最新版の普及に向けた同社のこれからの事業姿勢を語ったものである。
トレンドマイクロ 大三川彰彦 取締役副社長
2つの最新版は、大三川氏の言う「難しいセキュリティを簡単にする」新しい機能を搭載しているのが特徴だ。
まず、ウイルスバスター クラウドでは「Facebookプライバシー設定チェッカー」と呼ぶ機能により、Facebookのプライバシー設定をチェックし、プライバシー保護の観点からお勧めの設定をアドバイスすることで、ユーザーがFacebookのプライバシー設定を逐一確認することなく、安心してFacebookを楽しめるようにした。
また、ウイルスバスター モバイル for Androidでは「プライバシースキャン」と呼ぶ機能により、アプリのプライバシーリスクを一目で確認できるようにした。アプリをインストールする際に自動で検査するほか、すでにインストールしているアプリをマニュアルで検査し、該当のアプリにどのようなプライバシーリスクがあるのかを知らせてくれる。
筆者が注目したのは、大三川氏が語ったコンシューマーのIT利用環境の変化の話だ。以下にかいつまんで紹介しておこう。
「かつてはPCが中心だったコンシューマーのIT利用環境に、今ではスマートフォンやタブレット端末など多種多様のデバイスが使われるようになってきた。しかもアプリケーションはクラウドで利用できるようになり、コミュニケーションにはソーシャルメディアが使われるようになってきた」
「そうした利用環境の変化で利便性は高まってきたが、一方でそれぞれの設定や連携において、複雑、面倒、不安といった面もユーザーの間でにわかに広がりつつある。そうした面を解消し、簡単で安全な利用環境を提供していくのが、私どもの役目だ」