ユニクロの柳井社長は、「グローバル繁盛店」という言葉で、この店舗の狙いを表現する。
ここに両社の共通した思惑がありそうだ。
「日本に元気がないと言われるなかで、日本の繁盛店の典型的なスタイルの一つがビックカメラ。外国からの観光客が、日本に来たならば必ず新宿にきて、必ずここに寄って、家電と洋服を買って帰るという店舗を作りたいと考えている。世界に通用する日本の代表的店舗に育て上げたい」と、柳井社長は語る。
宮嶋社長も「新宿東口という立地を生かし、東京の新名所、新宿の新名所として、ワクワクする店を作り上げたい」と意気込む。
やるからには日本一の売上高を目指す
家電量販店では、昨年7月の地上デジタル放送への完全移行で薄型テレビの駆け込み需要が発生。その反動によって、この1年の業績が悪化しているのは周知の通りだ。ビックカメラが今年5月にコジマの買収を発表するなど、業界再編も進んでいる。
ユニクロの柳井社長は、「家電量販店は今のままだと苦しい。今回のように我々と手を組むなど、今までにない発想が必要。家電自体が新たな生活ニーズを開発できていない。生活ニーズを発掘できる製品の提示がこれからは必要になってくる」とする。
また、ビックカメラの宮嶋社長は「家電と衣料は切っても切れないものと考えている。合わせることで新たなニーズを喚起できる。百貨店に匹敵する大型店を出店することになるが、こうしたことによって需要を喚起できる」と期待を寄せる。
これを受けて、柳井社長は「やるからには日本で一番の売上高を目指す」と意気込む。
外国人をターゲットの一つに掲げていること、異業種のコラボレーションの可能性を探るということで、両社の思惑は一致している。それが新たなニーズを掘り起こすという狙いだ。
柳井社長は、「ここに一店舗だから意味がある」とビックロの多店舗展開には興味がなさそうだが、宮嶋社長は「まずはこの店舗を成功させることが重要。その上で次のことが考えられる」と、多店舗化にも含みを持たせる。
ビックロが新宿東口でどんな影響力を及ぼすのか。新宿だけでなく、日本、そして世界を視野に入れた店舗がいよいよ動き出す。
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