
「Windows 95」より前のOSでは事態はあまり深刻ではなかったが、このOSの成功がMicrosoftを目立たせ、ハッカーたちの標的にした。同社がウェブ以前の技術を使って大々的にインターネットを取り込んだことで、「Internet Explorer」や「ActiveX」などのMicrosoftのプログラムは、セキュリティリスクにさらされた。1998年、Microsoft Windows NTのセキュリティチームの製品マネージャーが、セキュリティ上の問題を認めている。「基本的に、Windows 95と98は、消費者市場向けに作られたセキュリティ機能を提供するようにデザインされていた」とMicrosoftのKaran Khanna氏は述べている。「しかし設計時点では、それらのOSはあらゆる形態のあらゆる強度の攻撃に耐えられるようには設計されていなかった」。このKhanna氏の発言は、「Back Orifice」(MicrosoftのサーバーサイドアプリケーションスイートであるBackOfficeのもじり)と呼ばれる、攻撃者に遠隔からコンピュータの制御を与えるプログラムに対するものだった。ハッカーグループであるCult of the Dead Cowは、このプログラムはMicrosoftに同社のOSのセキュリティを向上させるよう、圧力を掛けるためのものだったと述べている。