レスポンシブウェブを支援するアドビの「Edge Reflow」の注目点 - (page 2)

杉山貴章(オングス)

2012-09-27 14:42

Reflowがレスポンシブなウェブデザインをサポート

 Reflowではデフォルトで可変グリッドレイアウト機能が適用される。これはコンテンツのサイズをグリッドベースで詳細に調整できるようにするためである。

 グリッドの幅などはフレキシブルに設定することが可能。レイアウトの定義は当然CSSで行われる。その他にメディアクエリのブレイクポイントを設定できる「Visual Media Query Breakpoint」を備えるほか、マージンやパディングなどといったCSSスタイルもパネル上から簡単に設定することができる。

  • 可変グリッドによるフレキシブルなレイアウト設計

  • グリッドのオプションも自由に変更可能

 これらの機能を活用することで、画面の大きさごとのレイアウトの設定が極めて直感的に行えるようになるという。レイアウトの変更はリアルタイムにプレビューされるため、実際の画面でどのような表示になるのかが簡単に確認できる。

 興味深い点としては、同じEdgeの仲間である「Adobe Edge Web Fonts」を利用する機能がすでに組み込まれていることが挙げられる。Web Fontsはフリーなウェブフォントの数々を極めて簡単に利用できるサービスで、これもReflow同様にCreat the Webの場で初めて発表された。

 Reflowには、Web Fontsからフォントを選んで設定するパネルが用意されているという。したがって、通常のエディタでフォントを選ぶのと同様の感覚で、オンラインでアクセス可能なウェブフォントを設定できるのである。

 それぞれが特定のタスクにフォーカスして提供されるEdgeのツール群だが、ニーズがあればお互いに連携するための機能も提供されるということだろう。もちろん、画面サイズごとにフォントを変更することも可能である。

  • Web Fontsとの連携で豊富なフォントが活用できる

開発はスタートしたばかり

 今回発表されたReflowは、Creative Cloudの無料メンバーシップに登録することで無償で試せる。ただし、現時点ではまだ“スニークピーク版”。これはプレビュー以前の、アイデアを形にしたプロトタイプといった位置付けのバージョンになる。したがって今後どのように変更が加わっていくのかはまだ分からない状態だ。

 Surber氏は、「まだ開発がスタートしたばかりで道のりは長い。やるべきことはたくさんある」と語る。実装すべき機能の一例としては、次のようなものが挙げられた。

  • コピー&ペースト
  • UndoとRedo
  • ビジュアルスタイルガイド
  • エレメントライブラリ
  • スタイル管理
  • 複数ページへの対応
  • マークアップへの対応

 実用できるようになるにはもうしばらく時間がかかるだろうが、マルチスクリーンをターゲットとしたウェブサイトを構築する上では極めて価値の高いツールになりそうだ。ぜひ実際に試してみて、積極的にフィードバックを送ってほしいと語っていた。

Keep up with ZDNet Japan
ZDNet JapanはFacebookページTwitterRSSNewsletter(メールマガジン)でも情報を配信しています。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    従来型のセキュリティでは太刀打ちできない「生成AIによるサイバー攻撃」撃退法のススメ

  2. セキュリティ

    マンガでわかる脆弱性“診断”と脆弱性“管理”の違い--セキュリティ体制の強化に脆弱性管理ツールの活用

  3. セキュリティ

    情報セキュリティに対する懸念を解消、「ISMS認証」取得の検討から審査当日までのTo Doリスト

  4. セキュリティ

    ISMSとPマークは何が違うのか--第三者認証取得を目指す企業が最初に理解すべきこと

  5. セキュリティ

    クラウドセキュリティ管理導入による投資収益率(ROI)は264%--米フォレスター調査レポート

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]