セコムは9月27日、データセンター事業者大手であるアット東京の50%超の株式を、親会社の東京電力から取得し、子会社化することを発表した。333億2700万円で取得する。東京電力は引き続き33.3%を保有する。セコムにとっては、同社の事業コンセプト「社会システム産業」をさらに強化することになる。
警備サービスの国内最大手であるセコムは、2000年にIT事業を担うセコムトラストシステムズを設立。セキュリティに強いイメージを生かして、物理と情報の双方の安全性を高めた「セキュアデータセンター」を開設していた。現在はグループ全体で複数地域に総延床面積約2万平方メートルのデータセンターを保有。2013年10月には約7000平方メートルのデータセンターの開設を予定しているほか、関西地区での大規模データセンター開設に向けて準備を進めている。
アット東京は、総延床面積20万平方メートルのデータセンターを保有。これは「国内最大規模」(セコム)だという。セコムグループとアット東京の延床面積を合算した約23万平方メートルは、「国内ナンバーワン」(同)の規模だとしている。
セコムでは、アット東京の既存顧客にはこれまでと同様のサービスを提供していくとしている。また、セコムは堅牢なデータセンターを拠点として、災害対策やサイバー攻撃対策にかかわる事業の本格展開を図る意向を示している。