マイクロソフトとニチイ学館が提携--医療の見える化と適正化を図る - (page 2)

三浦優子

2012-10-02 12:20

 「当社は医療機関の支援などを行う医療関連事業に加え、医療事務や介護などの教育事業、トータル介護サービスを展開するヘルスケア事業、保育事業の4つの事業分野を展開している。医療機関は経営の悪化、地域医療連携の必要性の高まりといった課題を抱え、電子カルテ、オーダリングシステム導入などIT化に向けた課題も抱えている。今回、ニチイ学館のヒューマンパワーとマイクロソフトのITパワーが提携することで、医療向けサービスの高度化がはかれることになる」

ニチイ学館の代表取締役社長、齊藤正俊氏
ニチイ学館の代表取締役社長、齊藤正俊氏

 ニチイ学館としても、以前から提供してきた医療機関に医療事務を提供するパートナーという役割から、現在進めている経営支援サービスに加え、診療支援サービス、地域連携サービスを加えて医療環境全般を支援するパートナーになることを進めている。

 今回の提携で最初に紹介した3つのサービスに加え、経営支援サービスについても経営データの「見える化」、業務プロセスの「適正化」をマイクロソフトのSQL Server 2012、Office 365、Windows Azureなどを使って実現。データの集約、分析システムを活用した収支分析、分析結果から得られる経営サポートの提案などを行う。

 診療支援サービスとしては業務の効率化実現に向け、負荷軽減ツールの提供と事務サポートによる診療環境の向上、自宅でのeラーニング、院内情報共有化などによる看護師復職支援、タブレットやスマートフォンなどのデバイスを活用したコミュニケーションの活性化をKinect、SharePoint Server、Lync 2010などのマイクロソフトの製品を使って実現する。

ニチイ学館・医療関連事業統括本部 取締役統括本部長・木原佳代子氏
ニチイ学館・医療関連事業統括本部 取締役統括本部長・木原佳代子氏

 ニチイ学館・医療関連事業統括本部 取締役統括本部長・木原佳代子氏は「短期的にはOpect、メディクラウドといった商品をリリースし、そこから個々のニーズに則ったツールの開発とサービスを提供する。その上で施設間の診療情報の共有化、地域のつなぐ化を実現し、両社共同で開発、マーケティング、営業などを行い、さらに事例、ノウハウの活用などを進める」と話す。

 そこでニチイ学館が目指す安定した医療を提供し、「地域医療の充実、効率的で質の高い医療による患者が安心して充実した医療サービスを受けることができる環境を作っていくことを目指したい」としている。

 一方、日本マイクロソフトの代表執行役社長、樋口泰行氏は「マイクロソフトの技術力、製品群、海外での医療事例を、この分野でノウハウをお持ちのニチイ学館さんに提供することで、医療に革新を起こすことが実現できると期待している」と話し、日本での医療分野での定着につながるとした。

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