ブロケードコミュニケーションズシステムズは10月3日、ハイエンド向けスイッチ「Brocade VDX 8770」を発表した。新製品はBrocade VCS(Virtual Cluster Switching)ファブリック技術の機能を拡張し、データセンターのネットワーク基盤の最適化や、効率性の向上化を図り、インターネット上の情報量の爆発的な増加とクラウド化の進展により求められているネットワーク環境の洗練化を目指す。
「Brocade VDX 8770」はシャーシ型で、4スロット8U型と8スロット15U型が用意されており、1GbE(Gigabit Ethernet)/10GbE/40GbEに対応しているとともに、100GbEにも対応できるように設計されている。1つのファブリックで最大8000スイッチ・ポートにまで拡張可能で、最大38万4000の仮想マシンをファブリックに接続させることができるようになっている。また、1GbE/10GbE/40GbEのすべてのポートに渡り、ポート間遅延は3.5マイクロ秒であるという。
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Brocade VCSファブリック技術は、従来の階層型ネットワークとは一線を画した、簡素で柔軟なネットワークを構築するための技術要素だ。同社では、Brocade VCSファブリックの採用により、データセンター・ネットワークの管理者は数十台に及ぶスイッチを単一の論理デバイスとして管理できるようになり、運用コストを削減できるとともに、ファブリックに接続されると自動的にプロビジョニングが行われ、機器の設置時間も大幅に短縮されるとしている。
米Brocade Communications Systems CTOのDave Stevens氏
米Brocade Communications Systems CTO兼コーポレート・ディベロップメント担当バイスプレジデントのDave Stevens氏はインターネット上を流通するデータ量が桁違いに膨大になっていることと、コンピュータソフトが最初からクラウドを前提に作成されるような傾向が強まってきたことを指摘。
「ネットワークの再構築が必要になってきた。特に大規模ネットワーク構築の要点は“シンプル化”だ」と述べ、同社はその実現のため、Brocade VCSファブリック技術とSDN(Software Defined Networking)に注力していく方針であることを強調した。
ブロケードコミュニケーションズシステムズ社長の青葉雅和氏
Brocade VCSファブリック技術に対応したBrocade VDX製品群は、すでに700社以上に導入されているという。ブロケードコミュニケーションズシステムズ社長の青葉雅和氏は「ネットワークのシンプル化、仮想化をいっそう前進させるため、イーサネット・ファブリックの発想を唱え、それに対応したVDXシリーズを投入してきた。
従来のボックス型に加え、今回、シャーシ型を追加してことで、小規模から大規模まで、企業の用途に合わせ、多様な製品ラインアップを整えた」と話した。