「条件を正しく定める必要があるが、これは価格の問題だけではない」と言うGausden氏は、CIOは役員のチームと話して、外部から調達する業務に対するビジネスドライバーについて、情報を入手すべきだと話す。
アウトソースをする理由が金銭的なものだけであってはならないし、同様にアウトソース事業者もあなたのビジネスを単なる収益源として見るべきではない。
「事業者のビジネスがどのように成り立っているかをよく理解すべきだ。彼らがその契約からどう収益を上げるのかを理解していれば、自分たちの目的とそのアウトソース事業者が合っているのかどうかを判断するのに役立つ」 とGausden氏は言う。
「社外パートナーが、その契約から収益を上げようとはしていないなどと思うべきではない。相手が求める見返りを理解し、自分たちのビジネスも価値を得られるようにすることが大切だ」
4.部下を巻き込む
社外のプロバイダーを使うことは、技術だけの問題ではない。必ずと言っていいほど、人間も影響を受ける。そして、あなたの会社がITと同じようにスタッフについてもアウトソースしようとしているのであれば、あなたの組織は理解し、進歩し、人を巻き込む必要があるとGausden氏は言う。
「望まない従業員を変えるのは、簡単なプロセスではない。従業員に時間を与え、新しい働き方にどれだけの変化が必要になるかを伝えること。プロセスのあまり早い段階からスタッフを巻き込むわけにはいかないが、相手を怖がらせないようにしなくてはならない」と同氏は述べている。
Gausden氏は、鍵になる人たちと一緒に作業をして、社内でコミュニケーションの核となってくれる人間を作り、それらの人々にアウトソーシングの潜在的な利点を伝えようとすることは、理にかなっていると話す。
同氏によれば、スタッフにとっての利点の1つは、新しいスキルセットを手に入れることができ、他の組織のために技術を管理することを専門とする企業が、ITをどのように提供するのかを見るチャンスが得られるということだ。
Gausden氏は同氏のキャリアの早い時期に、Barclaycardからアウトソース事業者であるXansaに転職した際に、同様の経験をしている。
「このことは、リスク管理と契約締結の知識を広げ、どうすれば顧客に集中できるかを知るのに役立つ。これらの原則は、社内でITを提供するやり方に戻ったとしても、非常に役に立つだろう」と同氏は言う。
5.パートナーと契約の管理に投資する
契約書への署名は、始まりの終わりに過ぎない。Gausden氏によれば、アウトソーシングを成功させるには継続して注意を払う必要があり、外部から業務を調達する際に最初に立案するビジネスケースには、契約上の問題に対処する経費を含める必要があるという。
「管理は、何もしなくても勝手に行われるようなものではない」と同氏は言う。「アウトソース事業者を積極的に管理すべきだ。業者とどれだけ密に連携を取るかは、状況によって異なるだろう。しかし、積極的な態度を取れば、その分だけアウトソース事業者はあなたのビジネスにできるだけ高い価値を提供する傾向がある」
頻繁に連絡を取ることは、プロセスに対してマイナスにはならない。建設的な批判などを通して事業者と深く関わることは、長期的な成功になくてはならないものだ。「アウトソース事業者自身に挑戦させることだ」とGausden氏は言う。
「相手を少し困らせるくらいでなければ、アウトソース事業者は最高の仕事はしてくれない。契約書に署名をしても、まだ何も終わっていない。本当の価値は、建設的な関わりから生まれてくるものだ。たとえサービスレベルの合意が守られていても、常に事業者からもっと多くを引き出すことを目指すべきだ」(Gausden氏)
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。