本連載「松岡功の『今週の明言』」では毎週、ICT業界のキーパーソンたちが記者会見やイベントなどで明言した言葉をいくつか取り上げ、その意味や背景などを解説している。
今週は、米GartnerのPeter Sondergaard シニアバイスプレジデントと日本マイクロソフトの樋口泰行代表執行役社長の発言を紹介する。(ZDNet Japan編集部)
「企業の競争力を高めるためには、クラウド、モバイル、ソーシャル、インフォメーションの4つを結びつけることが重要だ」 (米Gartner Peter Sondergaard シニアバイスプレジデント)
米Gartner Peter Sondergaard シニアバイスプレジデント
ガートナージャパンが10月3日、同日から3日間開催したカンファレンスイベント「Gartner Symposium / ITxpo 2012」において米Gartnerのトップアナリストらが来日したのを機にメディア向け説明会を開き、最新のITトレンドなどについて解説した。米Gartnerのリサーチ部門のトップであるSondergaard氏の発言は、その説明会で、企業の競争力強化に向けたITの新潮流について語ったものである。
Sondergaard氏は、クラウド、モバイル、ソーシャル、インフォメーションのそれぞれについて、IT新潮流のキーワードとして挙げた理由を次のように説明した。
まず、クラウドについては「他の3つのパワーを提供する際のプラットフォームの役割を果たすとともに、IT業界の工業化を担うようになる」とし、次にモバイルについては「単にスマートデバイスの急速な普及といった現象だけでなく、今後あらゆるもののサービス化を図るプラットフォームを担うようになる」と説明した。
また、ソーシャルについては「これまで長らく続いてきたプロセス中心型のアプリケーション設計が、今後はソーシャルネットワーク型に変わっていく」とし、最後にインフォメーションについては「今後はビッグデータの活用がますます重要になるが、キーワードをインフォメーションにしたのは、企業が情報というものを戦略的な資産ととらえて十分に活用していく必要があるとのメッセージを伝えたかった」と語った。
その上でSondergaard氏が最も強調していたのは、冒頭の発言にあるように、企業の競争力を高めるためには、これら4つを結びつけることが重要との指摘だ。英語では「Nexus」という言葉を使っていた。