NTTコムウェアは11月から排熱式データセンターのサービスを提供する。電力使用効率(Power Usage Effectiveness:PUE)が1.02を実現させたという。
PUEは、データセンターの能力を示す指標であり、1に近づくほど優れた効率であることを示す。海外の優れたデータセンターでは1.06や1.08といわれている。今回の1.02はそれを上回る効率性であることになる。
同社はデータセンターサービス「SmartCloudデータセンター」を提供する中で、通信事業者が利用するレベル(キャリアグレード)の耐災害性やセキュリティ、運用と環境性能を高めるため、2011年11月から排熱式データセンターの実証実験に取り組んできた。
今回の排熱式データセンターは、冷却装置を一切使用せずに、サーバやスイッチなどのハードウェアから発生する熱を屋外に排出する完全な外気空調方式を採用している。
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データセンター内部の温度や湿度を最適に調整する空流制御、吸気温度40度に対応するハードウェアの採用で、空調機器の消費電力を限りなくゼロに近い、サーバ1台あたり数ワットまで削減している。1ラックあたりの消費電力12kVAの高密度実装にも対応している。
2011年11月からの1年間の実証実験では、厳寒期や酷暑期でもPUEが1.02で安定したサービスを提供できることを確認している。SmartCloudデータセンターで実現しているPUE=1.3と比較すると、サーバ1000台あたりの二酸化炭素(CO2)の年間排出量を300トン削減に相当するという。
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今回のデータセンターの構造は、需要に応じて設備を増強できるモジュール方式を採用している。冷却装置なども不要としたことで、創設費と主に電力関係の運用費のコスト低減も実現したという。コストは従来に比べて45%削減できていると説明している。