今や多くの企業がソーシャルメディアを利用し、メリットを生み出している。しかし、リスクを管理するとともに、それらリスクへの対処方法を用意しておく必要もある。
ソーシャルメディアは、今やユビキタスなものとなり、企業が顧客とやり取りする方法を根本から変革する立役者になった。
筆者の勤め先であり、世界的な法律事務所DLA Piperが企業の意思決定者を対象として行った最近の調査では、76%という大多数が何らかのソーシャルメディアを利用しており、その86%がFacebook、78%がLinkedIn、62%がTwitterを利用しているという実態が明らかになった。
ソーシャルメディアが企業にメリットをもたらし得るのは明白だ。これにより、潜在顧客に向けた大規模なマーケティングと広告を、直接的かつ対話的に、そして通常は無償で行えるようになる。しかし、ソーシャルメディアの利用が拡大するとともに、企業はその裏に潜むリスクに気付き始めている。
従業員がソーシャルメディアをどのように使用(あるいは誤用)するかによって、彼らの作業を監督する側の雇用主に難問が立ちはだかることになる。
提供:Shutterstock
ソーシャルメディアネットワーク上で、ユーザーからのコメントや意見の投稿を可能にすることで、企業に対する批判(その内容の正当性に関係なく)の書き込みや、ブランドやコンテンツの悪用を許すようなプラットフォームを生み出してしまう。
さらに、従業員がソーシャルメディアをどのように使用(あるいは誤用)するかによって、彼らの作業を監督する側の雇用主の前に難問が立ちはだかることになる。無視できないリスクには、機密情報の漏えいや、中傷、評判に傷を付けるといった行為が含まれている。
企業は、こういったリスクが表面化しないよう、できる限りリスクを最小化する方法について検討しておくとともに、表面化した場合の対処方法を熟慮しておく必要がある。以下は、企業がソーシャルメディアを正しく利用していくうえで必要となる5つのティップスである。
#1:ソーシャルメディア関連のポリシーを策定し、従業員の教育を行う
ほとんどの企業は、ソーシャルメディア利用に関するガイドラインとなるポリシーの策定を検討すべきである。こういったソーシャルメディアの利用ポリシーは、従業員による個人的な利用(例えば従業員自身のFacebookページやTwitter)と、企業による利用の双方を網羅しておくべきだろう。
当然ながら、リスクや優先順位は企業によって変わってくるため、自社に合ったポリシーを策定することが重要となってくる。またこういったポリシーは、さまざまなソーシャルメディアに適応できるとともに、ソーシャルメディアの特徴とも言える急速な変化にも適応できなければならない。なお、ここで述べているソーシャルメディアとはFacebookやTwitterだけでなく、ブログやYouTubeといったサイトも含んでいる。
ソーシャルメディア関連のポリシーが確定できたのであれば、それを従業員に伝えておく必要がある。これにはソーシャルメディアを利用する従業員全員に対して訓練を行っておく必要があるだろう。また、ブランドの管理担当者とソーシャルメディアのページ管理担当者には、ソーシャルネットワークのユーザーとやり取りを行うスキルが別途必要となる。