IDC Japanは10月18日、国内のデータセンター向けネットワーク機器市場動向を発表した。イーサネットスイッチ、L4-7スイッチ、WANアプリケーション配信、Data Center Bridging(DCB)/Fibre Channel over Ethernet(FCoE)スイッチで構成される同市場は、2011年に前年比10.4%増となり、市場規模は560億800万円となっている。
ベンダー別では、2011年もシスコシステムズがリードして約40%のシェアを獲得している。同社はデータセンター向けイーサネットスイッチ分野で約75%のシェアを獲得しており、存在感を示している。
データセンター向けイーサネットスイッチ分野では、シスコに続いてブロケード コミュニケーションズ システムズ、ジュニパーネットワークス、日本ヒューレット・パッカード、日立電線も売り上げを伸ばしているという。
データセンター向けネットワーク機器市場は、モバイルインターネットやクラウドサービスの拡大、サーバ仮想化の進展を背景に拡大を続けると予測。2012年は、2011年の成長要因が持続し、前年比12.5%増とみている。中長期的にも成長し、2011~2016年の年平均成長率(CAGR)は6.8%としている。
2011~2016年の国内データセンター向けネットワーク機器市場製品分野別売上額予測(出典:IDC Japan)
同市場は、成長市場としての期待だけでなく、新しい技術的展開が起こっている分野として、ベンダーという供給サイドだけでなく、ユーザー企業という需要サイドの注目も集めている。特にネットワーク仮想化、中でもSoftware Defined Network(SDN)の主要技術となる「OpenFlow」への関心が高まっているからだ。IDC Japanの草野賢一氏(コミュニケーションズシニアマーケットアナリスト)が以下のようにコメントしている。
「SDN/OpenFlowは将来的に、ネットワークアーキテクチャや市場構造を大きく変化させる可能性を持っている。その一方で、市場への浸透には時間がかかる。SDN/OpenFlowへの対応を進めながら、既存技術の応用や自社独自技術のデータセンター向けの製品と技術の開発を減速させてはならない」