CA Technologiesは10月22日、データモデリングソフトウェアの新版「CA ERwin r9」を発表した。11月12日から出荷する。
ERwinは企業全体のデータを管理したり、コラボレーション環境を構築したりといったデータモデリングのためのソフトウェア。データの再利用やシステム品質の向上、収益回収までの時間短縮、適切な情報ガバナンスなどが可能になるという。
業務でやり取りされるデータは増加しているが、高品質の情報に基づく意思決定などデータをもとにした戦略的な取り組みが優先事項になっていると説明。そのため、顧客データや製品データなどのデータ資産を一元的に管理し、コラボレーション可能な環境を構築することに注目が集まっていると言われている。
ERwinは、そうしたニーズに対応するためのものという。今回の「CA ERwin Data Modeler」は4つのエディションと2つのオプションで構成される。ERwin Data ModelerのエディションはStandard、Community、Navigator、Workgroupとなっている。
Standardは標準のもの。複雑なデータも直感的に把握できるモデルに生成できるだけでなく、データベース言語との双方向に変換できる。Communityは、Standardに一部の制限を付けたもの。モデリングを初めて利用するユーザー企業向けであり、1年間無料で利用できる。
Navigatorは、ERwinで作成したモデルやメタデータへ読み取り専用でアクセスできる。モデルを生成しないユーザーとのコラボレーションが可能という。Workgroupは、ERwinのモデリング環境に加えて、リポジトリを備えていることで、チームでのモデルの作成や更新、モデルのバージョン管理、変更による影響を分析できると説明する。
今回のWorkgroupには、新しく「Active Model Template」が標準装備されている。一元管理されたリポジトリに蓄積されている企業全体にわたるデータ定義、名前付けの標準ルールを適用できるようになり、再利用が簡単になるとともに一貫性のあるモデルを作成できるようになる。
オプションは「CA ERwin Web Portal」と「CA ERwin Data Modeler for Microsoft SQL Azure」が提供される。ERwin Web Portalは、IT部門とユーザー部門のどちらの立場からでも、ERwinで作成したモデルを視覚的に共有でき、データがどのような用語で使用されているかを一目で分かるポータルを作れる。キーワード検索やレポート機能なども搭載している。
今回のERwin r9は、新機能「Catalog Manager」が搭載されている。リポジトリに格納されたモデルを分かりやすいインターフェースと操作で管理できるようになっている。複数のユーザーでモデルを作成、更新する際にもチェックインやチェックアウトにかかる時間を短縮でき、モデルの生産を向上させられるとメリットを説明している。
新版のERwin r9は、Active Directory(LDAP)を通したユーザー認証が可能となっている。企業全体のセキュリティ標準と統合できるようになり、役割や部門などのユーザープロファイルでセキュリティを定義できるようになっている。
税別の参考価格はStandardが48万円から、Web PortalのStandardが83万4000円から。