日立製作所と米VMwareは11月5日、クラウド分野でのグローバルな戦略的提携に合意したことを発表した。VMwareのパートナー制度「VMware vCloud Datacenter Services」に日立が参画することで合意している。
vCloud Datacenter Servicesは2010年8月から提供。VMwareに認定されたサービスプロバイダーが、事前定義された仕様に合わせて構築されたクラウドインフラ基盤でエンタープライズクラスの性能や要求に応えられるハイブリッドクラウドをサービスとして提供する。ハイパーバイザ「VMware vSphere」やIaaS管理ソフトウェア「VMware vCloud Director」、セキュリティを保つソフトウェア「VMware vShield」などで構築される。
ユーザー企業はvCloud Datacenter Servicesのリソースを利用することで、企業内部のリソース要求に応えることができる。必要な場合には、プライベートクラウドからvCloud Datacenter Servicesにワークロードを移動させることができるようになっている。
今回の合意で、日立は12月に横浜市に「日立-VMwareコンピテンスセンター」を開設する。日立は今後、同社のクラウドサービス「Harmonious Cloud」のメニューにvCloud Datacenter Serviceを追加、パートナー制度に準拠したハイブリッドクラウドサービスを2013年度に提供する予定としている。
日立は統合プラットフォーム製品「Hitachi Unified Compute Platform(UCP)」の製品化で、仮想化基盤にVMware製品を採用している。IaaS基盤モデル「Hitachi Unified Compute Platform Pro for VMware vSphere」では、管理ツール「VMware vCenter Server」の管理画面からサーバやストレージ、ネットワークを一元管理できるようになっている。
日立は今後、グローバル事業展開の強化に向けて、従来国内で締結していたVMware製品に関する包括的なライセンス契約の範囲をグローバルに拡大し、日立グループのグローバルのシステムで横断的に活用する。また今後、サポートサービス「日立サポート360」で基幹業務システム向けに提供している「プレミアム」グレードのサービス対象として初めてVMwareのハイパーバイザを加え、仮想化技術を活用したクラウド環境の運用を支援するという。