Windows RTが動作するデバイスの見た目や感触は、Windows 8とほとんど同じであり、これが問題の一因となっている。多くの消費者や企業が、Windows 8と同時に発売された(Windows RTを載せた)新しいMicrosoft Surfaceを購入する可能性が高い。これらのマシンは、競合する他のタブレットやデバイスに比べてより強力だと言われているが、消費者はこれらのマシンで従来のWindowsアプリケーションを実行できないことを後から知るだろうし、企業はこれをWindowsドメインに接続できないということに気付くだろう。
私は状況がそこまで悪いとは思わないが、企業は導入を決定する前に、Windows RTを載せたデバイスが自社の環境で利用できるか、よく調査すべきだとは思う。
4.Windowsアプリケーションのエコシステムは大きく変わろうとしている
Windows 8の発売と同時に、Windows Storeもスタートした。これは、AppleのApp StoreとGoogle Playに対するMicrosoftの答えだ。これによって、Windowsにソフトウェアをインストールする方法のモデルは大きく変わり、スマートフォンやタブレットにアプリをインストールする方法にずっと近いものになる。おしなべて言えば、これはよいことだ。Windowsのソフトウェアを見つけるのは簡単になり、素早く購入してインストールできるようになる。ソフトウェアは1カ所に集められ、Microsoftがその価値や安全性、真正性を検証しているため、ダウンロードしているものが自分のマシンをマルウェアに感染させることはないと確信できる。
従業員だけが利用できるWindows用のカスタムアプリケーションを導入したい企業や、従来のやり方で多くのシステムに自前でソフトウェアを導入したいIT部門は、「サイドローディング」と呼ばれる方法を使う必要がある。これは、Windows Storeを通さずに、手動でアプリケーションをインストールするということだ。
企業向けの今後の動向
興味深いことに、Windows 8の発売イベントで、Microsoftの最高経営責任者(CEO)であるSteve Ballmer氏は、「Microsoftは今後も企業向けのWindows 8の体験を追加していく予定であり、今後に期待してほしい」と発言した。同氏は、具体的に2つのMicrosoft製品(DynamicsとYammer)を名指しして、まもなくWindows 8に関連するアップデートが行われると述べている。
Windows 8の製品サイクルはこれまでのところ消費者に重点を置いているが、Ballmer氏のコメントを考えると、IT部門やビジネスプロフェッショナルは、企業利用の観点で、今後もっとWindows 8に注目すべきかもしれない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。