今回の大統領選挙では、驚くほどたくさんの芸能人やプロスポーツ選手がオバマ支持を表明。しかも、表明するだけでなく、積極的に動いてもみせた。
9月上旬に開かれた民主党全国大会でも多数のハリウッド関係者がステージにあがり「オバマ支持」を訴えた。YouTubeで公開されているビデオなどを観ていると、どことなく日本の「紅白歌合戦」と似た雰囲気さえ感じられたりもする(註2)。
そんな動きのなかでも、今年春、ジョージ・クルーニーのハリウッドの邸宅で開かれた食事会はとくにすごかったようだ。
その資金集めの食事会は、クルーニー邸のバスケットボール・コートに設営されたテントで開かれ、一晩で1500万ドルもの寄付を集めたと大きな話題になった。このファンド・レイジングの食事会を取り仕切ったのは、ディズニー在籍時に『ライオンキング』『美女と野獣』など数々のヒット作を生み出し、さらにピクサーとの契約や作品製作をめぐってスティーブ・ジョブズとやりあったことでも知られる映画プロデューサーのジェフリー・カッツェンバーグ。現在はドリームワークスSKGのCEOを務める人物である。
そんなジョージ・クルーニーの名前が、TIMEの記事の冒頭に出てくる。
曰く、「オバマ陣営のデータ解析グループが、西海岸で暮らす40〜49歳の御婦人たちの間でジョージ・クルーニーが絶大な影響力をもっていることを突き止めた」「『クルーニーと、おまけに大統領とも会って話ができる食事会をハリウッドの豪邸で開く』といえば、彼女たちは喜んで参加する」
1人あたり4万ドルもするような食事会のチケットを買う確率がずば抜けて高い——そんな想定で企画されたこの食事会は、結果的に空前の成功を収めた。
これに気をよくしたオバマ陣営では、さらに「東海岸の御婦人たちには、誰がいちばん良さそうか」とデータ解析をして、その結果、白羽の矢が立ったのが女優のサラ・ジェシカ・パーカーだった。近年の代表作『セックス・アンド・ザ・シティ』で知られ、今シーズンは人気テレビ番組『グリー』などにも出演している人気女優の、ニューヨークにある自宅で7月に開かれた食事会もやはり大きな話題を集め、資金集めでも大いに貢献したらしい、などと伝えられていた(註3)。
Obama fundraiser at Sarah Jessica Parker's house: How'd it go? (+video) - Huffington Post
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註2:紅白歌合戦と似た雰囲気
Democratic National Convention - YouTube
メアリー・J・ブライジやジェームス・テイラーといった大ベテランだけなら「懐かしのメロディー」になってしまうところだが、9月のiPhone 5発表イベントに登場していたフー・ファイターズも出てくることにはちょっと感心した。
註3:パーカー邸での食事会にはVogue編集長のアナ・ウィンターも出席
Sarah Jessica Parker's Obama Fundraiser: Did Stars Really Pay $40,000 To Dine With The President? - Huffington Post
パーカーと一緒にホスト役を務めたのが、世界のファッション界で絶大な影響力を持つ『Vogue』誌編集長のアナ・ウィンタ。映画『プラダを着た悪魔』でメリル・ストリープが演じたあの役柄の元になったとされる人物だ。このパーティには、そのメリル・ストリープや、2009年2月の就任式で歌声を披露していたソウルの女王、アレサ・フランクリンなども姿を見せたという。