顧客情報管理(CRM)の戦略立案や展開を主事業とするランドスケイプは企業データ分析用データベース(DB)としてデータウェアハウス(DWH)専用DB「Calpont InfiniDB」を採用。9月末から本稼働させている。製品を提供したアシストが11月14日に発表した。
ランドスケイプは消費者情報9500万件、企業情報750万件などさまざまなな情報を集積。アウトバウンドテレマーケティングやダイレクトメール、データの名寄せ、コールセンターシステムなどのマーケティング分野の提案やコンサルティングなどを提供している。
戦略的により精度の高いマーケティングを支援するランドスケイプは、独自のマーケティングシステムを構築、運用しており、システム全体では高い検索性能を実現していたという。だが、一部の業務要件では、検索対象が限られているが、対象テーブルをフルスキャンしなければならない場合があり、検索に1分以上かかってしまうという課題を抱えていた。
ランドスケイプは、課題となっていた処理を対象にInfiniDBを試験的に活用。業務効率が改善し、コストなどを考慮してもバランスが取れていたことから採用を決定した。
InfiniDBを活用すると、既存システムで1分以上かかっていた処理が、テーブル構造を変えたりチューニングしたりせずに2~3秒で完了したという。InfiniDBはMySQLをベースにしており、新たに教育せずに実装できることも採用の一因になっている。
米Calpontが開発する米InfiniDBは列(カラム)志向型の並列DB。従来のDWH専用機が得意とする大量のデータの分析を、より低コストで実現できるのが特徴と説明。列志向型のアーキテクチャとなっており、データ圧縮率も高く、インデックスが不要でチューニングすることなく、I/Oを高められるという。スケールアップとスケールアウトのどちらにも対応し、直線的に性能を向上できるとしている。
MySQLのアーキテクチャをベースにするInfiniDBは、「User Module」と「Performance Module」で構成される(MySQLでいえば、User Moduleが“SQLエンジン”、Performance Moduleが“ストレージエンジン”に相当する)。この2つのモジュールを柔軟に配置して、MapReduceのような動作をすることで高速にデータを抽出できるという。
User Moduleはクライアントからの接続要求を受け付け、SQL構文の分析、実行計画を策定、結果セットをクライアントに返信する。加えて、アクセス対象データの絞り込みやPerformance Moduleからの結果セットの受け取り、その後の集計を実行する役割を担っている。
Performance ModuleはUser Moduleからの要求を受け取り、ディスクからデータを抽出する役割を担う。Performance Moduleの特長は、高速にデータを抽出するためのマルチスレッド動作とI/O処理に特化したアーキテクチャにあると説明。この仕組みからデータを高速に処理できるという。
InfiniDBは、MySQLで提供されるクライアントアダプタで接続する。ADO.NETやODBC、JDBC、C++などのクライアントアダプタに対応し、MySQLと接続互換性のあるビジネスインテリジェンス(BI)ツールを利用できる。