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標的型攻撃を防御する専用パッチを配信--パロアルトのファイアウォールOS最新版

小林哲雄

2012-11-27 11:02

 パロアルトネットワークス合同会社は11月26日、都内で記者発表会を開催し、ファイアウォール向けOSの最新版「PAN-OS 5.0」と、PAN-OS 5.0上で動作する4つの新製品を発表した。

代表取締役の金城盛弘氏
代表取締役の金城盛弘氏

 新製品はそれぞれ、仮想化ファイアウォールプラットフォーム「VM-Series」、ファイアウォールハードウェアプラットフォーム「PA-3000シリーズ」、ログ収集ツールをアプライアンスで提供する「M-100アプライアンス」、 「WildFireモダンマルウェア防御サブスクリプション」。

 金城盛弘代表取締役は米本社が7月にニューヨーク証券取引所に上場したことに触れながら「イノベーションがパロアルトの特徴であり、今後も他社にはない革新的な製品を出し続ける」と話し、技術本部長の乙部幸一朗氏が発表の詳細を説明した。

PAN-OS 5.0は標的型攻撃に迅速対応

 PAN-OSはファイアウォール製品のOSで、これを5.0に更新する。PAN-OS 5.0は前版の4.1と比較して、ネットワークセキュリティ管理の拡張および簡易化、IPv6拡張機能、企業内で増え続けるSSLトラフィックの管理制御の強化、新しいURLフィルタエンジンとしてPAN-DBを選択できるようになった。また、管理インターフェースに日本語が加わっている。

管理コンソールが日本語を含む6言語対応となりわかりやすくなっている
管理コンソールが日本語を含む6言語対応となり分かりやすくなっている

 また、標的型攻撃への対策として4.1から提供していたWildFireを拡張。専用のシグネチャ提供が受けられる「WildFireモダンマルウェア防御サブスクリプション」に対応した。

 WildFireは、信頼できないゾーンからの未知の実行ファイルをパロアルトに送信し、サンドボックス内で挙動を解析して、マルウェアかどうかを判断する。2011年11月の提供開始から約211万の検体を処理し、うち約17万がマルウェア、約7万がゼロデイマルウェアだったという。

 加えて、標的型攻撃で用いられるマルウェアは使い捨てられることが多いという。パロアルトで採取された50種の検知報告を時間とともにプロットしてみたところ、24時間で95%の報告数があり、その後はあまり報告件数が伸びなかった。

 以上のことから、標的型攻撃対策としては、従来のシグネチャの配信間隔が長めであることがわかる。

標的型攻撃で使われるマルウェアは短時間に配布されることが多く、24時間後の対策ではあまり効果的ではないことが分かる
標的型攻撃で使われるマルウェアは短時間に配布されることが多く、24時間後の対策ではあまり効果的ではないことが分かる

 今回から新たに提供されるWildFireのサブスクリプションは、30分ごとにWildFireシグネチャを受け取ることで早期の脅威に対処できる。

 また、外部から設定内容を変更するためにREST APIを拡充しており、管理対象のラベルとIPアドレスを外部から変更できるようになった。これによって適切に設定していれば、仮想環境のオーケストレーションソフトがサーバIPアドレスをラベルとともに変更できるので、ラベルに応じたポリシーを自動適用することが可能になる。

PAN-OS 5.0で動作する3種類のアプライアンス

 さらにPAN-OS 5.0で動作する3種類のアプライアンスが発表された。従来タイプのアプライアンスとして、ミッドレンジプラットフォームとなるPA-3000シリーズアプライアンスが提供される。PA-3000シリーズは1Uサイズ製品で既存のPA-2000シリーズとPA-4000シリーズの間を埋めるもので、PA-3020とPA-3050が市場投入される。

 PA-3020は従来のPA-2000シリーズの上位モデルのPA-2050と比較してもスループットは2倍あり、PA-2000にはないHA(高可用性)ポートも用意しているが、PA-3020の想定価格はPA-2050よりも1割ほど低い。

発表会で展示されたPA-3050。HA対応のエントリ製品
発表会で展示されたPA-3050。HA対応のエントリ製品

初のソフトウェアファイアウォールも

 従来のパロアルト製品は、ネットワークアプライアンスとしてデータの可視化・監視をしていたため、物理サーバ上にある仮想サーバ間の通信には対応できなかった。

 これに対して登場するのがパロアルト初のソフトウェアファイアウォールである「VM-series」だ。今回発表された「VM-100/200/300」はVMware ESXi 4.1/5.0上で動作するバーチャルファイアウォールであり、VM間の通信の可視化と監視が可能になる。

新製品を説明した技術本部長の乙部幸一朗氏
新製品を説明した技術本部長の乙部幸一朗氏

 製品の違いは上限能力で、パフォーマンスに関しては割り当てるCPUコア数によっても上下する。検証環境ではCPUを4コア割り当てることによってApp-IDを1Gbpsで処理した。8コア割り当てれば、脅威防御も1Gbpsで動作するという。

ログ収集ツールもアプライアンスで提供

 これらのパロアルトファイアウォールを統合して監視・管理し、ログの収集やレポーティングを行うPanoramaというツールがあったが、これをM-100というアプライアンスとして提供する。

 M-100のログ収集は最大4TBのRAID1ストレージ(SSD)で行い、M-100一台では100台、分散構成で最大1000デバイスまで展開できる。また、従来のライセンス体系を踏襲しており、既存のPanoramaユーザーの移行も可能だ。

 すでにパロアルトはこれらの製品群の受注を開始しているが、日本市場ではネットワンシステムズ、日立ソリューションズ、テクマトリックス、SCSKが販売パートナーとなっており、パートナーからの発売がそれぞれ発表されるとしている。

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