日本オラクルは11月28日、COBOLなどで書かれたアプリケーション向け分散トランザクション処理基盤となるアプリケーションサーバの新版「Oracle Tuxedo 12c」の提供を開始した。税別価格はプロセッサライセンスが652万1700円、指名ユーザーライセンスが19万5700円となっている。
TuxedoはCOBOLのほかにC言語やC++、PHPやPython、Rubyといった動的言語、Javaに対応。複数の言語で書かれた複数のアプリケーションを共存できる。複数のアプリケーション間の通信も最適化できる。アプリケーションの開発や配置、管理のためのツールも用意される。
Tuxedo 12cでは、アドオン製品として「Oracle Tuxedo Message Queue 12c」が用意され、「Oracle Tuxedo System and Application Monitor(TSAM) 12c」で機能が拡張されている。前者のTuxedo Message Queue 12cでは、高信頼性メッセージング配信機能やメッセージングAPIなど従来の非同期通信機能が拡張されている。トランザクション管理や高可用性のメッセージングアプリケーションを構築できると説明している。
後者のTuxedo TSAMは、Tuxedoを基盤としたアプリケーションを監視、管理する。Tuxedo TSAM 12cでは、統合運用管理ツール「Oracle Enterprise Manager(EM)12c」と統合される。ユーザーや単一のコンソールからさまざまなアプリケーションを監視、管理できる。
この統合により、複数のアプリケーションで同時に発生するビジネストランザクションの監視、2つ以上のバージョンの異なるアプリケーションも管理できるようになる。プライベートクラウド環境で、Tuxedo 12c上のアプリケーションの動的なプロビジョニングと展開、稼働状況に応じたシステムリソースを動的に変えることも可能になっている。
Tuxedo 12cでは、先日から国内提供が始まったアプリケーションサーバ専用機「Oracle Exalogic Elastic Cloud X3-2」に最適化されている。Tuxedo 12c上のアプリケーションの実効速度を最大8倍向上させ、応答時間を最大80%短縮できるとメリットを強調している。
メインフレームのユーザー企業は、Exalogic X3-2とTuxedo 12cを組み合わせて導入すれば、既存アプリケーション資産を数少ない工数でオープン系システムにリホストできるという。追加の投資コストと運用コストを抑制しながら、クラウドの活用を視野に入れて基幹系システムを刷新できるとうたっている。