タブレット、ペーパーレス化や業務の電子化の環境整備の手段として期待

田中好伸 (編集部)

2012-11-29 14:01

 アイ・ティ・アール(ITR)が11月28日に発表した調査結果によると、モバイル端末管理(MDM)市場は、参入ベンダーの急増で2011年度の規模は前年度の2.3倍に拡大したという。同社はモバイル端末向けの管理、マルウェア対策、文書管理、開発ツールの4分野で国内40ベンダーを調査している。

 2011年度の各分野は、マルウェア対策がAndroid搭載端末の普及で前年度の7倍、文書管理が新規参入ベンダー増加で10倍、開発ツールが3倍となっている。開発ツールの分野は2012年度も拡大すると予測している。

 国内モバイル端末向け文書管理市場は、2011年度に10倍となる3億2000万円。インフォテリアやNRIネットコムなどの先行ベンダーが大きく売り上げを伸ばしたことに加えて、ペーパーレス会議向けに特化した製品などの新規参入ベンダーが増えたことが要因。この種の製品に対する認知度が高まり、2012年度の市場規模は倍増すると予測している。

 2011年度のベンダーシェアでは、最も早くから製品を投入しているインフォテリアが市場をけん引。2011年度から本格的に市場に参入したエージェンテックがトップに肉薄する勢いを見せている。ITRシニア・アナリストの舘野真人氏が以下のようにコメントしている。

 「モバイル端末の業務活用で、ビジネス文書の活用に対するニーズは極めて高く、とりわけタブレット端末についてはその傾向が顕著だ。国内企業では、紙ベースで行ってきた業務を電子化するための手段としてタブレット端末に期待をかける向きが少なくない。そうしたペーパーレス化に向けた環境を低コストで整備するための手段として、モバイル端末に特化した文書管理システムが強く求められている。今後も端末の普及と歩調を合わせる形で市場規模は拡大するだろう」


2011年度モバイル端末向け文書管理市場ベンダーシェア(出荷金額ベース、出典:ITR)

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