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三国大洋のスクラップブック

ドン・キホーテ 孫正義を米国で待ち構える二つの巨大な風車 - (page 2)

三国大洋

2012-11-29 17:03


 このグラフ、上位各社の加入者件数、加入者純増数、加入者流出率、一件あたりの月額売上金額の平均(ARPU)を、四半期ごとの推移でまとめている。さらに7〜9月期の契約者数、純増数、流出率、データサービスの売上が全体に占める割合、ARPUの5項目を事業者ごとに比較した表もある。データの出所はストラテジー・アナリティクスという、普段よく名前を目にするリサーチ会社だ。

 契約者数の比較は日本でも各メディアが話題にしたが、おさらいすると、ベライゾンとAT&Tがほぼ互角、それに対しスプリントが約半分、さらにT-モバイルが上位2社の3分の1といった状況が続いている。また、市場全体の成長ペースが非常にゆっくりとしたものになっていることも読み取れよう。

 このグラフに出ている数はプリペイドユーザーも含めたものだが、先に紹介したWSJの記事には上位4社の長期契約者数だけを比較したグラフがのっている。これをみると、ベライゾンは9040万、AT&Tは6970万、スプリントは3210万、T-モバイルは2080万となっていて、少なくとも現時点ではベライゾンとAT&Tとの差が存外に大きいことや、加入者増加がつづく上位2社に対して、スプリントとTーモバイルでは減少が続いている様子もよくわかる。

 AT&Tで増加の頭打ち傾向がみられるのは、iPhoneの独占的な取り扱いが終わったことに加え、それでもiPhoneに対する依存度がまだ高いこと(iPhone 5投入前に見られた「消費者の買い控え」の影響が顕著)、そしてLTEサービスの展開でベライゾンに差を開けられていることなどの結果と思われる。

 対するベライゾンは、競合各社に先行して2010年12月からLTEサービスの展開を開始。10月半ばには、計画よりほぼ2カ月早く米国内400市場(都市)での展開を実現、10月18日時点で417市場、カバー人口は2億5000万人で、これは米国の人口の約8割に及ぶ。さらに当初の計画を半年ほど前倒しする形で、来年半ばには全米への展開を完了する見通しなどを明らかにしていた

 端末関連では、2010年末までiPhoneべったりだったAT&Tと対照的に、ベライゾンは2011年2月にiPhoneを取り扱うようになってからも、アップルと一定の距離を置きつづけているように見える。ベライゾンのAndroidスマートフォンに使われている「Droid」という名称が同社の登録商標であることは象徴的だが、基本的にいまでも「通信事業者ありき」という姿勢を保っている、とでもいえばいいだろうか。それだけ強気になれる背景には「サービスの品質の高さ」や「マーケティング力」に対する自信があるのだろうが……話の収拾がつかなくなるので、両社の比較は別の機会に譲ることにする。

 一方、スプリントとTーモバイルの加入者減少は、それぞれ理由がはっきりしている。スプリントの場合は、サービス終了が決まっている旧ネクステルの利用者が大量に他社に流れているため。T-モバイルはいまだにiPhoneを正式に取り扱っていないことが、それぞれの成長に響いているとされる。また、いずれもLTE網の展開で出遅れた格好で、スプリントは今年夏頃から一部地域で小規模にサービスを開始、T-モバイルはネットワーク構築すらこれからといった状況である。

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