富士通は12月5日、COBOL開発運用ソフトウェアの新版「NetCOBOL V10.5」の販売を開始した。運用パッケージのLinux版のプロセッサライセンスは128万円から(税別)。
新版のV10.5では、NetCOBOLで開発したバッチアプリケーションを分散並列処理フレームワーク「Apache Hadoop」で処理し、バッチの処理時間を短縮する機能を追加している。Hadoopに実装されている分散処理フレームワーク「MapReduce」とCOBOLのデータ形式の違いを、富士通独自のデータ変換機能で吸収し、COBOLのデータをMapReduceの入出力データとして利用できる。
Hadoopの基本は1つのファイルを使用する方式であり、COBOLのバッチアプリケーションの複数ファイルを使用する方式とは違う。この違いを複数入力変換機能で吸収する。複数ファイルを使用するバッチアプリケーションでもHadoopを使えるようになる。データ変換や複数入力といった独自の技術で、COBOLのデータをアプリケーションに手を入れずに、再コンパイルだけでHadoopを適用できる。
富士通独自の分散ファイルシステムを構築するソフトウェア「Interstage Big Data Parallel Processing Server(BDPPS)」と組み合わせることで、分散ファイルシステムに格納したデータに直接アクセスできるようになり、Hadoopでは必要な入出力のデータ転送が不要となり、処理時間を短縮できるという。
マスタデータとトランザクションログなどの複数のファイルを入力してソートやマージ処理を施し、複数ファイルを出力するようなバッチアプリケーションで適用効果を発揮するという。例えば128Gバイトのデータを16多重で集計した場合の処理時間は、Interstage BDPPSとの活用で、従来のバッチ処理の約18分の1に短縮し、Hadoopとの活用でも約3分の1に短縮していると説明している。
NetCOBOLは日本のほか北米を中心に60カ国で利用されているという。今回の新版では、社内環境(オンプレミス)での利用に加え、富士通のIaaS「FGCP/S5」、Amazon Web Services(AWS)の仮想マシンサービス「Amazon Elastic Compute Cloud(EC2)」、AWS上にホストされたHadoopフレームワークである「Amazon Elastic MapReduce(EMR)」での稼働も確認している。各クラウド基盤にインストールして利用できる。FGCP/S5では月額のオプションとして提供される。FGCP/S5のほか、AmazonのEC2やEMRのいずれもHadoopとの組み合わせで利用できる。
製品名 | 税別価格 | 出荷時期 | |
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プロダクト | NetCOBOL Enterprise Edition 開発・運用パッケージV10.5 (プロセッサライセンス)Linux版 | 168万円から | 12月 |
NetCOBOL Enterprise Edition 運用パッケージV10.5 (プロセッサライセンス)Linux版 | 128万円から | ||
クラウド |
「FGCP/S5」のオプションサービスとして以下を提供 ・NetCOBOL Enterprise Edition 開発・運用パッケージV10.5 ・NetCOBOL Enterprise Edition 運用パッケージ V10.5 | 月額 8万4000円から 6万4000円から | 2013年2月予定 |
プラットフォーム | 動作OS |
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サーバ |
Red Hat Enterprise Linux 5/6(Intel 64) Oracle Solaris 10/11(2013年1月予定) Windows Server 2012 Windows Server 2008/R2 Windows Server 2003/R2 |
クライアント | Windows XP/Vista/7/8 |