日本オラクルは12月5日、統合基幹業務システム(ERP)パッケージ「PeopleSoft Enterprise」の予測分析機能の強化を発表した。多次元データベース「Oracle Essbase」の連携機能「Essbase Cube Builder」が世界標準の文字コードUnicodeに対応、日本語データを活用できるようになっている。PeopleSoft Enterpriseの業務データをEssbaseに投入して、多角的に分析できる。
従来PeopleSoft Enterpriseをもとに社員数やコストなどをシミュレーションする場合、追加機能を開発する必要があった。Essbase Cube Builderが日本語データに対応することでPeopleSoft EnterpriseのシステムからEssbaseに投入する業務データを設定すれば、PeopleSoft Enterpriseの基幹系システムに蓄積された人材情報や会計情報、顧客情報などのシミュレーションと分析が可能になる。想定される複数の事業シナリオをベースにしたシミュレーション結果を比較しながら、戦略立案や意思決定に役立てられるとメリットを説明している。
企業のグローバル化に伴い、グローバルに人材を管理するシステムのニーズが高まっている。その流れ、グループの中のどの企業にどんな人材がいるのかを把握するために“タレントマネジメント”と呼ばれるシステムへのニーズも高まっている。オラクルは、この流れに対応するために、グローバル人事情報のシミュレーションや分析でシー・エス・イー(CSE)と協業を開始している。
CSEは、大企業の業務効率化や見える化を推進するソリューションを提供してきている。今回、人件費のシミュレーションと分析で、PeopleSoft Enterpriseに含まれる人材管理アプリケーション「PeopleSoft Enterprise Human Capital Management(HCM)」をベースにした短期間で低コストに導入できるひな形となる「人件費予算ソリューション」を構築、提供を開始した。
人件費予算ソリューションを活用することでPeopleSoft Enterpriseに蓄積された部門や役職、勤務地、年齢などのデータを軸にした人件費の分析に加えて、昇給率や賞与支給月数、採用人員数などを変数とする人件費のシミュレーションを展開できるという。分析やシミュレーションの結果から人事データの明細にドリルダウンでき、各種レポートも提供する。事業課題を解決するために想定される複数の人事施策を実行した場合のシミュレーション結果をもとに、最適な施策の選択、実行に向けた意思決定に役立てられるとしている。