NECは12月12日、標準化が進みつつある技術「OpenFlow」をベースにしたネットワーク制御技術「Programmable Flow」を活用したスイッチ「UNIVERGE PF」シリーズの機能強化と新製品を発表した。
OpenFlowは、ネットワークの制御機能をスイッチから分離し手コントローラに集約することで、ネットワークを集中制御できるネットワーク技術。ソフトウェアでネットワークの構成や機能をプログラミングできるようにする概念「Software-Defined Networking(SDN)」を実現する技術のひとつ。Programmable Flowは、このOpenFlowに対応する、NECのアーキテクチャになる。
NECは今回、プログラマブルフローコントローラ(PFC)「UNIVERGE PF6800」の機能を強化。プログラマブルフロースイッチ(PFS)の新製品として「UNIVERGE PF5248」「UNIVERGE PF5520」も発表している。12月27日から販売する。
これまで「OpenFlow 1.0」に準拠するコントローラでは、回線に障害が発生した場合にスイッチに対して、その回線を通るデータごとの経路の切り替えを指示する必要があった。機能が強化されたPF6800では、コントローラからの指示をひとつにまとめることで、スイッチでの高速切り替えが可能となり、通信復旧までの時間を約10分の1に短縮できるという。
PF6800ではまた、物理的なネットワークを共有した上でソフトウェアで設定するネットワークとなるVTN上の仮想ネットワークでのIPv6ルーティングが可能になっている。セグメントをまたがったIPv6の通信が可能になる。
VTNの設定では従来、PFSでVLANを設定する必要があった。PF6800の機能強化では、PFCからPFSのVLAN設定を集中的にできるようになっている。組織変更やフロア移動の際のネットワーク変更の設定工数を大幅に削減できるとメリットを説明している。
同時に発表された、8ポートの10GbEスイッチであるPF5248は、10Gポートをサーバの直接収容に対応させ、10Gポートを集線させることができる。これでコアスイッチとしてもエッジスイッチとしても利用できる。一方の24ポートの10GbEスイッチであるPF5220はエッジスイッチとして利用できる。中規模の起業ネットワークにも導入が容易としている。税別価格はPF5248が215万円から、PF5220が139万円から。