法人ユーザーのクライアント環境をめぐっては、2014年4月にサポート期限を迎えるWindows XPから新環境への移行が課題となっている。現状ではまだ半数程度の法人ユーザーがWindows XPを利用しているともみられているが、ここ1年ほどでWindows 7への移行も徐々に進んできた。Visser氏が薦めるように、そうした動きにWindows 8が加わって、移行を加速させることができるか。法人市場の攻略に向け、それこそマイクロソフトだけでなく、デバイスベンダーやソリューションベンダーなども含めたWindows 8陣営の正念場である。
「当社のセキュリティサービスは、日本の文化やワークライフスタイルにきめ細かく対応している」 (BBソフトサービス 瀧進太郎 取締役COO)
BBソフトサービスの瀧進太郎 取締役COO
ソフトバンクグループのBBソフトサービスが11月29日、フィッシング詐欺や日本特有のワンクリック詐欺を仕掛けるWebサイトを警告する機能を備えたiPhone向けのWebブラウザ型アプリ「あんしんWeb by Internet SagiWall」(以下、あんしんWeb)を提供開始したと発表した。冒頭の瀧氏の発言は、その発表会見で、同社のセキュリティサービスの最大の特徴を語ったものである。
あんしんWebは、同社がWindows搭載パソコンやAndroid搭載スマートフォン向けに提供しているオンライン詐欺検知ソフト「Internet SagiWal」の検知エンジンを搭載したiPhone向けのセキュリティサービスである。
同社によると、急速に普及しつつあるスマートフォンを標的にしたフィッシング詐欺やワンクリック詐欺が急増する中、標準ブラウザにも詐欺サイトを警告する機能があるものの、日本国内で発生する特有の詐欺サイトへの対応がこれまで不十分だった。そのため、悪質なアプリやマルウェアが発生しにくいiPhoneのプラットフォーム上であっても不用意に詐欺サイトへアクセスしてしまい、不当な請求や脅迫、金銭搾取などのトラブルにつながるケースが発生しているという。
こうした課題を解決する新アプリは、国内で発生する詐欺サイトの構造や特徴、コンテンツ内容をリアルタイムに解析する独自のヒューリスティック検知エンジンを搭載しており、ブラックリスト方式だけでは対応できない日々新たに発生するネット詐欺サイトに対しても、危険なサイトであるかどうかを自動的に判断して警告を表示することができるとしている。
同社は、ソフトバンクが創業時に始めたソフトウェア流通の流れを汲むソフトバンクBBの100%出資子会社である。その名残を感じる部分もあったが、主力のセキュリティサービスをはじめとして、当然ながら事業形態はどんどん進化しているようだ。「日本人の心理につけこむ悪質な詐欺の対策に大いに貢献したい」(瀧氏)との意欲に大いに期待したい。