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クリアワイヤ買収でソフトバンク・スプリントが手にするものは - (page 3)

三国大洋

2012-12-18 18:06


 クリアワイヤの今年第3四半期の決算は、売上が約3億1400万ドル、一株あたりの営業損失額は22セントで、今年度には10億ドルを超える損失を計上する可能性も出ている。そんなクリアワイヤには正味(net)で30億ドルを越える借り入れがある。

 スプリントは12月17日のプレスリリースで、「クリアワイヤの事業評価額があわせて約100億ドル、そのうち正味の負債とリース契約義務が55億ドル」と書いているが、要は100億ドル−55億ドル=45億ドルが時価総額、そしてその約半分はすでにスプリントの取得済み株式で、残り分がほぼ22億ドル、ということである。

 また、Seeking Alphaにある別の記事(同じクリアワイヤ株主のファンドが作成したもの)では、スプリントとクリアワイヤ、それに日本のイー・アクセスも手に入れた場合のソフトバンクの負担の大きさを、AT&T、ベライゾンのそれと比べている。この説明によると、ソフトバンクの正味の負債額は約486.08億ドルで、AT&Tの579.95億ドルよりも少なく、ベライゾンの380.74億ドルよりも多い水準。トップティアの通信事業者としてはまあまあの線、という感じだという(金額はいずれも第2四半期末時点)

TD-LTEのエコシステム

 TD-LTEのエコシステム、あるいは2.5GHz帯を使ったTD-LTE網関連の話については、すでにいろんなところで書かれていると思うが、この取り組みの音頭を取るGlobal TD-LTE Initiative(GTI)は、中国のチャイナ・モバイル、ソフトバンク、それにクリアワイヤなどが先頭に立って立ち上げたもので、これら3社のほかに、インドのバーティ・エアテル、英ボーダフォングループもすでに参加している。

 なかでも見逃せないのはチャイナ・モバイルで、今年10月末時点の加入者数はなんと7億人超。ちなみに、今年9月21日にiPhone 5が最初に発売された9つの国と地域——日、米、加、英、仏、独、豪、香港、シンガポールの総人口をあわせても、その数はざっと7億2000万人ほどである。

 チャイナ・モバイルの加入者は、その大半がいまだに2Gユーザー。その影響から同社のARPUも決して高いとはいえないが、一方で3Gへの移行も着実に進んでいる(第3四半期時点で契約件数6億9850万件のうち、7560万件が3Gユーザー)。また、同社はiPhoneをいまだに扱っていないことから、3Gサービスの市場シェアが38%と相対的に低いとBloombergは書いている。

 中国を「最も成長が期待できる市場」と公言しているアップルが、スマートフォン市場ではいまだに5%以下のシェアしかないことなどとあわせ、「いつになったらチャイナ・モバイルがiPhoneを扱うようになるのか」という話題が後を絶たない理由でもある。

 チャイナ・モバイルはTD-LTE網の展開に関し、今のところは「実験」と称して中国国内13の都市に2万基の基地局を設置、来年には20万基程度まで増やす考えを公表している。ただし、政治動向の影響を受けやすい国営企業傘下ということもあり、正式な展開のスケジュールなどはいまだに定まっていない。

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