虎視眈々と機会をうかがうディッシュ
加えて、グーグルとも協議を進めていたという話も出たディッシュ・ネットワーク、そして同社とスプリントとの提携の可能性なども気になる。FCCは先週、ディッシュが希望する携帯通信全国網の展開に向けた計画を承認した(もともと衛星携帯電話用として割り当てられていた周波数帯を、通常の携帯通信用に転用することへの承認)。この計画については、単独で一から通信インフラを整備するという可能性も残されているものの、多くの費用と時間がかかるため、スプリントあるいはAT&Tと何からの形で提携するのではないかという話も後を絶たない。
衛星テレビ市場第2位(契約世帯数)のディッシュにとっては、直接競合するケーブルテレビ事業者各社がいずれもネット接続サービスや、場合によっては携帯電話サービスまでバンドルして提供しているなかで、競争力を維持する上でも、また新しい収入源を生み出すためにも、携帯通信市場への参入を実現させたいところとされている。
既存のプレーヤーに加え、こうした新規参入組の動きも加わることで、米携帯通信市場は、今しばらく目の話せない状況が続くことになりそうだ。
追記:
12月17日は、ダン・ヘッセ氏がスプリントのCEOに就任して丸5年が立つという区切りの日だったそうだ。これに当て込んだ長いインタビュー記事がGigaOMに掲載されている。
スプリントが犯した二つの大きな失敗——ひとつはスプリントとネクステルとの合併、もうひとつはWiMAXを推すクリアワイヤに肩入れして、4G網展開でつまずいたこと。いずれも前任の経営陣の判断——についての今の考えなどを語っているが、前者については来年6月末に旧ネクステル顧客へのサービス提供を終了することが決まっており、後者についてもクリアワイヤの完全取得が実現すれば一応片が付くことになろう。
そういう大変な時期をくぐり抜けたヘッセ氏は、「ブランド(の信用力)に傷がつくのはあっという間。それに対して、一度落ちた評判を取り戻すのは長い時間がかかる」などとコメントしながら、生まれ変わったスプリントがカスタマーサービスや利用者の経験(の質向上)に力を入れていること、またそうした努力の成果がJDパワーズ(調査会社)の顧客満足度ランキングでの評価などにも表れてきていること、実際に同社のサービスの質が大きく変わっていることを加入者には実感してもらえているが、被加入者の認識を変えるのはなかかな難しいこと、などを口にしている。
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