RISCプロセッサ「SPARC」25年に見るシステムの変遷

田中好伸 (編集部) 大川 淳 2012年12月27日 12時00分

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 日本オラクルは12月から「SPARC T4」サーバのキャンペーンを展開している。1987年に誕生したRISCプロセッサ「SPARC」の25周年を記念した「SPARC 25周年キャンペーン」だ。

 3月末まで展開しているキャンペーンでは、4コアのRISCプロセッサ「SPARC T4」を搭載するラックマウント型UNIXサーバ「Netra SPARC T4-1」が、通常157万8311円のところ、期間限定で103万9500円と割安で購入できる。キャンペーンでは、ファイバチャネル(FC)ストレージ「Sun Storage 2540-M2」とNASストレージ「Sun ZFS Storage 7320」のそれぞれとサーバを組み合わせたものも割引されている。前者は454万1366円が285万9842円に、後者は659万8229円が401万336円となっている。

 キャンペーンを担当する、日本オラクルの桑原智宏氏(システム事業統括 ソリューション・プロダクト統括本部 プロダクト・マネジメント・オフィス システム製品事業推進グループ サーバー担当シニアマネージャー)は「オラクルはあまりキャンペーンをやらない」と説明。キャンペーンは、既存のSPARC/Solarisユーザーに向けて「“x86サーバは安い”というイメージを払拭」(桑原氏)することを狙っている。

オープン系システムの弊害

 x86サーバは安くないのか? ここにx86サーバを中心としたオープン系システムが現在抱える問題が潜んでいる。つまり、ハードウェアのx86サーバに加えて、ソフトウェアとしてOS、ハイパーバイザ、ミドルウェア、アプリケーションといったコンポーネントをユーザー企業が自由に選べるが故の複雑性という問題と指摘できる。

 現在市場に投入されているx86サーバ自体の価格は、例えば、A社が53万7600円、B社が76万6973円となっている。ここだけを見ると確かにNetra SPARC T4-1より格段に安いことが分かる。

 しかし、A社やB社のx86サーバを現行のシステムに導入するとなると、OSとして「Red Hat Enterprise Linux(RHEL)」、ハイパーバイザとして「VMware vSphere 5 Enterprise」が必要になる。OSとハイパーバイザのサブスクリプションなどを合計すると、A社が163万9050円から、B社が209万7323円から、となっている。

 Netra SPARC T4-1の現在のキャンペーン価格は103万9500円だが、通常でも157万8311円であることを考えると、Netra SPARC T4-1がA社やB社のx86サーバと比較して、非常識なほど高いというわけではない。Netra SPARC T4-1には、OS「Oracle Solaris」とハイパーバイザ「Oracle VM」やSolarisに標準で搭載される仮想化技術「Solaris Zones」、管理ツール「Oracle Enterprise Manager」がすべて無償で提供される。こうした点からオラクルは「x86サーバは安くない」と訴えている訳である。

仮想化環境前提のプロセッサ

 Netra SPARC T4-1がこうした形態で提供できるのは、やはりOracleがSun Microsystemsを買収したからだ。Oracle/Sunだからこそ、提供できるサーバと表現できる(同様の形態で製品を提供できるのはIBMだけだ)。

 振り返ってみるとSunは極めてユニークな企業と言える。OSとしてSolarisを開発し、RISCプロセッサのSPARCも開発。さらには、現在企業ITの世界では欠かすことのできない言語「Java」も開発している。その中でもSPARCは、常に注目を浴びるようなものだったと言える。

 25年前の1987年にSPARCアーキテクチャによるプロセッサ「Sunrise」(コードネーム)が開発。1992年に開発された「microSPARC I」では、DRAMを制御する技術が組み込まれている。1995年の「UltraSPARC I」では、「SIMD命令」という技術が業界で初めて搭載されるとともに、複数のプロセッサで処理を分散させる方式「SMP」が64個のプロセッサに対応している。

図1 SPARCの25年
※クリックすると拡大画像が見られます

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