データ分析とビジュアル化
筆者に予想を送ってくれた企業はRainStorやPervasive Software、MapR Technologies、Progress Softwareだけではない。市場分析を専門とするBlueKaiや、「iOS」のデータをビジュアル化するベンダーRoambiも筆者に予想を送ってくれている。これら企業の予想はどれもやや手前みそなものだったが、顧客の知識が向上し、それによって生じる問題に取り組むというテーマからは大きく外れていない。
例を挙げると、Roambiは「自社のビジネスデータの半分は簡単にレビューできないため、意思決定や予測の精度に影響が及んでいることに企業は気付き始めている」と述べている。また、BlueKaiのCEOであるOmar Tawakol氏は「先見の明があるブランド各社は(中略)メディアの実績のみにとどまらず、チャネルをまたがったオーディエンスデータを最大限に利用し、データの有効性やROIを評価する方法を見つける能力に基づき、代理店を再評価することになる」と述べている。
複雑さの解消
ビッグデータ技術に関する筆者の予想はGoogleの「MapReduce」に対する依存度の低下と、企業におけるソフトウェアスタックの奥深くにHadoopが入り込むという2点に集約される。
MapReduceに対する依存度の低下とはつまり、MapReduceをバイパスしてHadoopの分散ファイルシステム(HDFS)に格納されているデータを直接取り扱うClouderaの「Impala」や、Microsoftの「Polybase」といった製品が勢いを増すということだ。
このことは、SQLベースのツールが今後も増加するというMapR Technologiesの予想や、Pervasive Softwareのもう1つの予想である「Yet Another Resource Negotiator(YARN)がHadoopの世界を一変させる」とも合致している。Pervasive Softwareは「YARNによって(Hadoop上で)MapReduceアプリケーションだけでなく、その他複数のアプリケーションタイプも実行できるようになる」と説明している。
では筆者の予想である、ソフトウェアスタックの奥深くにHadoopが入り込んでいくというのはどういう意味だろうか?これは単純に(a)Hadoopの採用が広がり、実質的に業界標準となる、そして(b)Hadoopの標準が自らのツールに用いられるだけにとどまらず、より高い価値を持ったソフトウェアツールの基礎にもなっていくということを意味している。このため筆者は、Hadoopの機能を内部で統合したBIツールや分析ツールが数多く登場し、Hadoopを直接扱って作業する専門家に依存する必要性が低下していくと考えている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。