
「5年は覚悟しないと」というメグ・ホイットマン、残された時間は
4. ホイットマンの具体策は?
この記事で一番物足りなさを感じるところがあるとすれば、それは渦中のホイットマンが具体的にどんな施策を打とうと考えているかが明示されていないところだ。
記事の締めくくりには「今後の展開については、いずれ明らかになる」「HPの再生は、米国のビジネス史のなかでも最大級の復活劇になると私は見ている」というホイットマンのコメントが引用されているが、これまでの動きについては散発的な逸話しか書かれていない。
そのエピソードというのも、幹部に倹約と謙虚さを呼びかけるため、「私たちは(ホテルを使うにしても)フォーシーズンズではなくマリオットが相応しい会社」と述べたというようなものだ。
同様にPCへの需要が低迷するなかで、ますます必要性が高まっている携帯端末への取り組みについても、「膨大な金額を失わずに実現するための方法をみつけなくてはならない」とするホイットマンの従来通りの考えが示されているだけ。ただし、PC部門やプリンタ部門ではすでに新しい取り組みが進み始めている、という記述もみられる。
さらに、SECに提出した文書にある不採算事業売却の可能性に言及した一節も、挿入を強く主張したのはHPの弁護士であり、「ホイットマン自身の見方を反映したものではなかった」という関係者の声がAllThingsDの記事では紹介されている。
HPの再生について「本当の変化をもたらすには時間がかかる」「5年は覚悟しないといけない」というホイットマンに、いったいどれくらいの時間が残されているのだろうか。
(文中敬称略)
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