標的型攻撃と“マスマーケット攻撃”は融合--ネットワークの可視化が重要 - (page 2)

田中好伸 (編集部)

2013-01-23 13:23

 こうしたマルネットは、もっともらしいニセのウェブサイト作成と、さらに包括的なセキュリティの弱点を突く攻撃キットの作成に投資する可能性もあると説明する。こうした状況から、一目では攻撃と認識されない攻撃が行われることで、攻撃が成功する可能性は拡大すると予測している。

(4)ビッグデータモデルは“スレットインテリジェンス”に

 セキュリティ対策を提供するベンダーが、ネットワークとユーザーレベルの潜在的な弱点をより理解するために、ビッグデータモデルを改良するだろうと予測している。ここでいうスレットインテリジェンスは日本IBMなどが言う「セキュリティインテリジェンス」とほぼ同義だ。

 すべてのセキュリティシステムやネットワーク機器はログを生成する。ログには、ネットワーク上でのユーザーの動向やトラフィックなどの大量の情報が含まれている。このデータを利用して危険な動向のパターンを見つけることで、動向とリスクの相互関係を理解できる。そして、ネットワークに潜む脅威などに対する、新しい防御策を構築することもできる。

(5)“シェアリングジェネレーション”は、よりプライベートに

 ユーザーは、情報を幅広く利用できるようになることで、極めて個人的な標的型攻撃の対象になり得る。これらの標的型攻撃は、SNSなどにある家族やペット、そのほかの個人情報を参照し、機密情報にアクセスを試みる。犯罪者は、これらのユーザーの情報を入手することで、ユーザーが訪れたオンラインの場所をより簡単に識別し、罠を仕掛け、攻撃できる状態にある。

 こうした状況の結果として、SNSなどですべてを共有してきたユーザーは、どの情報をどのくらいシェアするか、そして誰とシェアするかを管理、制限することになるだろうと予測している。


 ブルーコートはこれらの予測から、マスマーケット攻撃と標的型攻撃が異なる脅威であると考えるべきではないと提言。この2つは1つになり、同じものと説明する。従業員とデータを防御、保護するために企業はウェブとウェブ以外、そしてSSLまでをも含む、すべてのトラフィックを可視化に注力すべきと主張している。

 セキュリティのシステムは、トラフィックをログとして出力する。異常事態を識別するためには、これらのログを定期的に確認することは、防御するためにも重要という。企業は内部で誰がデータを使用しているのか、どのようにアクセスしているのかを理解することも必要と説明している。

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