モノのインターネットとは--知っておくべき10のこと - (page 3)

Patrick Gray (Special to TechRepublic) 翻訳校正: 村上雅章 野崎裕子

2013-01-25 07:30

#7:驚くべき可能性

 またIoTによって、人に関わることに対する理解を深める機会が創出されるという、あまり商業的でない応用事例も考えられる。食料品や重要な医薬品の追跡といったありがちなものか、あるいはアイデアやトレンドがさまざまなコミュニティーを越えてどのように広がっていくのかというちょっとした実験であるかどうかにかかわらず、使う人とのやり取りを識別し、1カ所に情報を集積できる「スマート」で追跡可能なデバイスによって、驚くほどの可能性がひらけてくる。

 これらはIoTの応用事例として考えられるもののうちの、ごく一部でしかないものの、このテクノロジを阻むものがないわけではない。そういったもののうちの2つを以下に挙げる。

#8:スマートな「モノ」の拡散に伴う問題

 最近のある新聞記事において、今はやりのフィットネス腕時計からフィットネス関係のポータルサイトに心拍数のデータがアップロードされることの法的是非について論じられていた。こういったデバイスが日用品のような価格で入手できるという点を考えた場合、筆者のようにやる気のないスポーツ愛好家であったとしてもトレーニング中の心拍数データを記録し、フィットネス関係のポータルサイトにアップロードすることで、トレーニングの指針や自身のフィットネス効果のほどをフィードバックとして得られるようになる。同記事によると、こういったデータは医療情報にあたるとして政府の規制当局が関心を示しており、従来の医療記録と同じ規則を適用すべきかについて問題提起しているという。あなたが人気の高いフィットネス製品を販売する中小企業を経営していると想像してほしい。この場合、政府はあなたの会社を医療機器メーカーとして扱おうとするわけだ。これは問題になるかもしれない。

#9:悪魔は細部に潜んでいる

 IoTデバイスでは、従来の製品とは異なるさまざまな制約条件が組み合わされることになる。あなたの会社はITやテクノロジの管理能力を既に有しているかもしれないが、すべての製品の奥深くにITの力を埋め込むための準備ができているだろうか?ファームウェアのアップデートに失敗し、製品がまともに使えなくなった時、社内の電子メールユーザーを普段サポートしているIT部門は、大量の電話照会に対応できるだろうか?法務部門は集団代表訴訟や、政府規制に対するコンシューマーの反発に対処する準備ができているだろうか?インターネット接続用のチップを製品に組み込めるからといって、そうするべきだという理由にはならないのである。

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