現時点では、マイクロソフトがデルに出資すると決まったわけではないから、「どこの資金を充てるか」などと憶測するのは明らかに時期尚早だろう。ただし、このLBOをきっかけに、改めてこの税金逃れの問題に注目を集めたいと考えている人々がいても不思議はないのだ。
同日付けでBloombergが掲載した記事のタイトルに「Yahoo」「Dell」の文字がある。税金逃れの代表みたいな形で、シルバーレイク・パートナーズと関連のある両社が名指しされているのを目にして、そんなことを感じた次第である。
2012年12月にはエンタープライズITに特化したイベント「Dell World」をお膝元の米テキサスで開催。画像は最終日、展示ブースをふらりと独りで訪れたマイケル・デルCEO。ミネラルウォーターを片手に各セクションを訪ねていた
追記
ヤフーとデルを名指しした記事には、「『ダッチサンドウィッチ』なる節税手法で汚名を着せられてしまったオランダの政府や税当局が、ついに汚名返上に乗り出す」といった話が書かれている。また欧州委員会による多国籍企業への「宣戦布告」という文字が踊る小見出しもみられる。
最近では、フランスのオランド政権が「ユーザーの個人情報を収集するグーグルやアマゾンなどの企業に対して、新たな課税策を検討」という話も出ているので、欧州を中心とした関連の動きは別途まとめてみたいと思う。
なお、この記事にはメルクがオランダで54社もの現地法人を登記しているが、そのうちの一社、クロスウィンドというペーパーカンパニー経由で「2002年〜2010年の間に70億ドル以上の利益がバミューダ諸島に流れ込んだ」「2010年にシュリング・プロウを買収したメルクは、クロスウィンドを利用するこの資金の流れをストップ。シュリング社の買収で税額を19億ドル節減できたから、クロスウィンド経由の手法を利用する必要がなくなった」などとある。
(文中敬称略)
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