サービスプロバイダ業界では、すでにいくつも例がある。
Telefonica UKは最近、グローバルなビッグデータ事業部門であるDynamic Insightsをスタートさせた。Dynamic Insightsが提供する新しいアプリケーション「Smart Steps」は、特定の地域における一般ユーザーの動きを追跡するもので、個々のユーザーに関する情報は隠しながら(プライバシー標準に準拠して)、性別などの詳細情報に関する問い合わせに応える機能を持っている。この情報は、すでに小売店の最適な出店場所を決定するために使われている。
予測への活用
ベルギーのTelenetでは、顧客へのより絞り込まれたアプローチのために予測的分析手法を用いている。これは、顧客の特定の情報を分析し、営業担当者に洞察を与えるために使用されている。Telenetは大量の顧客の履歴データを利用して、顧客対応コールセンターを同社の事業にとって重要な役割を持つものに変えた。顧客から電話があった後の販売成績は、この新たな手法を適用し始めてから6カ月間で2倍になった。
Amazonはもちろん、より広範なビジネス環境において、データを分析し、予想することに関するパイオニアの1つだが、Amazonの最高技術責任者(CTO)であるWerver Vogels氏は、成功には総体的な、トータルアプローチが必要だと述べている。「ビッグデータで重要なのは、分析手法だけではなく、パイプライン全体を考えることだ。ビッグデータを用いたソリューションについて考えるときには、収集、保存、組織化、分析、共有といった、すべてのステップについて考える必要がある」とVodgels氏は言う。
サービスプロバイダにとって何を意味するか
ビッグデータは、データを収集できる運用体系を構築し、積極的で状況を踏まえた体験を提供するための分析を加えることによって、サービスプロバイダが顧客体験において主導権を取り戻すチャンスだ(また、少し前にラスベガスで開催されたConsumer Electronics Showでも見られたように、センサーと、状況認識型のスマートチップセットとデバイスの登場によって、今後そのような顧客体験はさらに重要性を増していくだろう)。サービスプロバイダがユーザーの行動や傾向についてより深く学べば、顧客を喜ばせつつ新たな収益機会を作り出すことができる。
その収益機会は、かなり大きなものになるはずだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。