富士通「SPARC M10」は「どんと来い!マシン」(前編)

三浦優子 2013年02月14日 17時59分

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 富士通が1月に発表したUNIXサーバ「SPARC M10」は、整数演算性能で世界最高性能を記録したプロセッサ「SPARC64 X」を搭載し、ビッグデータ時代の高速リアルタイム処理に適した性能を持つ製品だ。

 拡張性も十分に考慮され、筐体を連結して1台のサーバとして使用可能なビルディングブロック方式を採用により、最大の16筐体までの連結時(SPARC M10-4S)には、世界最大の64CPU、1024コアを搭載可能だ。その一方で、1CPUの最小構成モデル(SPARC M10-1)では価格220万円からと、IAサーバと比較しても見劣りしないコストパフォーマンスを実現している。

 しかし、SPARC M10のユニークな特長は、価格競争力や拡張性だけにあるのではない。これまで富士通が蓄積してきた、メインフレームやスーパーコンピュータなどの技術・ノウハウを結集し、”ビッグデータなど新しい時代のコンピューティングに最適なサーバ”と同社が位置づける戦略製品だ。

 「一言で言うと、ビジネスデータからビッグデータのリアルタイム分析まで、1台のサーバで処理することができる『どんと来いマシン』ということになります」--こう笑顔で語るのは、富士通 プラットフォーム技術本部 プロダクトソリューション技術統括部 部長の志賀真之氏。

 志賀氏が所属するプラットフォーム技術本部は、顧客のシステム検証のサポートや、富士通製品を最適に利用してもらうためのドキュメント作成など、利用者の現状を踏まえた上で製品を上手に使ってもらうための情報を提供している。企業がビッグデータのキーワードのもと、処理するべきデータが急増している実情や、長い間Solarisを利用してきたユーザーの中には、世代の異なるSolarisを併存させなければならず苦労しているといった事態を目の当たりにしてきた。

 そこで今回は前後編の2回にわたり、SPARC M10のユニークな機能や、その背景を解説したい。まず前編でお送りするのは、同製品がビジネスやITの課題をどのように乗り越えるのか、その解決策だ。

SPARC64 Xで、従来の不可能を可能に--システム・オン・チップとソフトウェア・オン・チップ

志賀真之氏
志賀真之氏

志賀氏はユーザー企業側の実情を、こう語る。

 「SolarisサーバはDB用途では確固とした地位があるが、フロントには複数台のIAサーバでウェブなどを動かしている。それも最近は、仮想化されている例が多く、様々な管理ツールやOSが複雑な運用とコストの原因になっているというお客様が多い。

 そこにビッグデータのような新たな大量データ処理という新しいミッションが加わり、文字通り、どう取り組んだらよいのか--、と頭を抱えている企業が多いのです。SPARC M10はこうした問題をシンプルにコスト効率良く解決するマシンです」

 基幹系システムは、高信頼性が求められる高負荷のバッチ処理が主体。一方、オンライン業務などをこなす情報系といわれるシステムは、レスポンス重視。ここに加えてビッグデータの解析までさせるというのであれば、従来の常識なら、それを1台のハードでまかなうというのは、到底考えられない。その突破口となるのが、SPARC M10に搭載されたプロセッサ「SPARC64 X」を語る”2つの新しいキーワード”である、「ソフトウェア・オン・チップ」と「システム・オン・チップ」だ。

 まず前者のソフトウェア・オン・チップだが、こちらは従来ソフトウェアで実行してきた処理の一部をハードウェアでアシストする技術だ。10進演算、暗号処理、コピーなどの処理時間を短縮し、ソフトウェアのレスポンスを改善する。

 そして後者のシステム・オン・チップは、メモリコントローラやIOコントローラ、CPU間のインターコネクトまでを集約して、ハードウェアのレスポンスを改善する。さらに独自の冷却技術を組み合わせることによって、プロセッサとメモリ間の物理的な距離までも最小化する。その結果、「トップクラスのメモリレイテンシと大容量メモリを両立している」(志賀氏)

 こうしたアプローチで、高速・大容量メモリ、大量のコア、プロセッサ直結のインターコネクトを活用し、基幹システムにビッグデータを直結するための余裕の帯域を確保するのだ。

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