大鵬薬品工業は医薬情報担当者(MR)700人が活用するタブレット端末向け仮想デスクトップ基盤を構築、1月から稼働させている。日本IBMとCSIソリューションズが2月21日に発表した。
大鵬薬品は、MRが訪問先の医療機関で最新の治療法を紹介したり提案したりする時にタブレット端末を活用している。セキュリティの強化とMR業務の効率向上を図るため、新しいシステム基盤の構築を検討していた。
新しく構築した仮想デスクトップ基盤は、垂直統合型システム製品群「IBM PureSystems」に含まれるx86ブレードサーバ「IBM Flex System x240」7台とデスクトップ仮想化ソフトウェア「VMware View」、ミッドレンジストレージ「IBM Storwize V7000」で構成されている。Storwize V7000に搭載される自動階層管理機能「IBM System Storage Easy Tier」を活用している。
この機能は、アクセス頻度の高いデータ領域を高速な記録媒体に自動的に移動させる。同機能を活用することで、アクセスが集中する時間帯にも支障なく、MRは必要な機能や情報をタブレットに呼び出せるという。Flex Systemは大容量のメモリを搭載し、多くの処理の高速に展開できるため、仮想デスクトップ環境を利用するMRが増えても、ハードウェアの追加を最小限に抑えられると説明している。
新基盤を活用することで、大鵬薬品のMRはここのタブレット端末ではなく、安全な仮想デスクトップ環境で医療情報などを医師に提供し、外出先での空き時間には、eラーニングを受講し、日報入力などを展開できるようになっているという。