CA Technologiesは2月26日、データ保護ソフトウェアの新版「CA ARCserve r16.5」シリーズを発表した。3月14日から出荷する。新版では「Windows Server 2012」と「Windows 8」をサポートしている。
Windows Server 2012とWindows 8をサポートするARCserve r16.5では、新ファイルシステム「ReFS(Resilient File System)」とハイパーバイザ「Hyper-V」(第3世代)から使われている仮想ファイル形式である「VHDX」に対応している。またNTFSのデータ重複排除や記憶域スペースにも対応している。
ARCserveはすでに、Microsoftの「Windows Azure」やAmazon Web Servicesの「Amazon Simple Storage Service(S3)」、富士通の「グローバル・クラウド・プラットフォーム」に対応。新版のARCserve r16.5では、「Cloudian」を採用する「ニフティクラウドストレージ」やNTTコミュニケーションズの「Bizホスティング Cloudn Object Storage」などにも対応する。Cloudianの標準のバックアップ/リカバリ製品として認定されている。Cloudianは、Amazon S3に準拠するクラウドストレージパッケージソフトウェアだ。
Hyper-V上の仮想マシンを包括的にレプリケーションするHyper-Vシナリオの機能も強化されたことで、WAN上のスイッチオーバーが可能になっている。スイッチオーバー後、IPアドレスなどのネットワーク設定を自動で変更する。GUIを使用したネットワークアダプタの設定変更が可能になり、ネットワークセグメントが異なる災害対策(DR)拠点への仮想マシンの切り替えがより簡単になるという。
ARCserve r16.5は、ファイルベースのバックアップソフトウェア「CA ARCserve Backup r16.5」(サーバベースの税別ライセンスの参考価格:15万円~)、レプリケーションソフトウェアの「CA ARCserve Replication r16.5」(同19万8000円~)と「CA ARCserve High Availability r16.1」(同39万8000円~)、イメージベースのバックアップソフトウェア「CA ARCserve D2D r16.5」(同8万円~)で構成されている。
新版では、ARCserve ReplicationとARCserve D2Dが連携して、遠隔地への仮想スタンバイができるようになっている。ARCserve D2Dでバックアップした復旧ポイントを遠隔地に複製して、バックアップデータから自動的に仮想マシンを作成。本番サーバに障害が発生した後ですぐに複製先を起動できるという。災害や障害が起きた時に業務やシステムの停止を最小限に抑えられるとメリットを説明している。
新版は、保護対象データをテラバイト単位で、年間サポートとメンテナンス込みのキャパシティベースのライセンスでも提供される。ユーザー企業は、保護対象環境の増加、導入する製品やオプションを気にすることなく、ARCserveを利用できるとしている。
キャパシティベースでは「CA ARCserve r16.5 RPO Managed Capacity」と「CA ARCserve r16.5 RPO RTO Managed Capacity」が提供される。前者のARCserve RPO Managed CapacityはARCserve BackupとARCserve D2Dという構成に、ARCserve Replicationのファイルだけを複製できる機能が含まれている。
後者のARCserve RPO RTO Managed CapacityはARCserveシリーズのすべての機能が含まれている。税別の参考価格は、ARCserve RPO Managed Capacityが95万4000円から、ARCserve RPO RTO Managed Capacityが167万4000円から、となっている。