Intel製ハードウェアの将来
Eden氏は「われわれはパートナーと極めて良好な関係を保っているため、彼らと競合する理由など見当たらない」と述べるともに、「われわれの仕事は、フォームファクタとなるリファレンスデザインを生み出すことで、パートナーがそこにあるアイデアやモデルを解釈し、自らの市場に適した製品を開発できるようなモデルを提示することである。これはわれわれにとって素晴らしいモデルであり、変更しようとは思っていない」と述べている。
しかし、これはIntelがハードウェアの試行錯誤に難色を示しているという意味ではない。2012年に同社はイスラエルに知覚コンピューティング部門を開設し、細やかなジェスチャーでコンピュータとやり取りできるようにするためのビデオカメラとSDKを公開している。
これらについては2012年12月に初めて、この地でヒントが出された。ビデオカメラ(Creative製)については、Consumer Electronics Show(CES)で発表された。そしてSDK(Intelのハイファ工場で開発)は約4カ月前から開発者に対して公開されており、同プレスイベントにおいてこのプラットフォームに基づくゲームの初のベータ版が展示された。
Intelの広報担当者によると、「これは『Xbox』といったプラットフォームで見られるような、身体を使った大きなジェスチャーが必要となるテクノロジではなく、近距離での細やかなジェスチャーを読み取れる唯一のジェスチャーテクノロジを実装するプラットフォームだ」とのことであった。また同担当者は、「われわれのプラットフォームは、指を鳴らすような細かいジェスチャーも認識できるため、ジェスチャーアプリの限界を押し上げ、さまざまなことを可能にする」と述べている。
Eden氏は、このジェスチャープラットフォームとともに、音声認識テクノロジ「Dragon」のメジャーアップグレードも完成間近であると述べている。同氏はまた、「この新バージョンはさまざまなアクセントの違いを識別でき、ユーザーによる数ページ分のテキストの音読に基づいて、ニュアンスの違いを学習することもできる」と述べている。同氏によると、このシステムのベータ版は既にテスターたちをうならせており、「予想を上回る成果が達成されている」という。
しかし、話はゲームだけにとどまらない。同氏は「われわれは、知覚コンピューティングSDKの革新的な使用方法を開発者に考えてもらうコンテストを実施してきている」と述べている。また同氏は「われわれが見てきたゲームは非常に印象的なものであるが、ゲームについては忘れて欲しい。ジェスチャーや音声を認識するテクノロジを使って、タイピング入力できない人たちや、入力機器を使用できない障がい者の人たちに手を差し伸べ、彼らの自立をマシンがサポートするというのはどうだろうか?われわれはこのコンテストにおいて、こういったことをはじめとするさまざまな可能性を目にしてきている」と述べたうえで「私の考えでは、これこそがわれわれの行いたいことなのだ」と述べている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。