そしてこの後に続いたのが、冒頭の発言である。サイボウズからすると、ソーシャルの波はグループウェアをさらに進化させる絶好の機会なのかもしれない。
「PureSystemsはIBMが今後20年にわたって提供するソリューション。どんどん拡充して顧客のイノベーションを支援していきたい」
(日本IBM Vivek Mahajan 専務執行役員)
日本IBMが2月14日、垂直統合型システム「PureSystems」シリーズの新製品を発表した。同社でソフトウェア事業を担当するMahajan氏の冒頭の発言は、その発表会見で、IBMにとってPureSystemsが非常に重要な戦略製品であることを強調したものである。
PureSystemsはIBMが提唱する「エキスパート・インテグレーテッド・システム」というコンセプトを体現した製品群で、ハードウェアやソフトウェアなどのコンピューティング資源と、パターンと呼ばれる専門家の知見やスキルを統合したものである。
製品ラインアップとしてはIaaS向けの「PureFlex System」、PaaS向けの「PureApplication System」、データプラットフォーム向けの「PureData System」を用意している。
Vivek Mahajan氏
同社がこの日発表したのは、PureApplication Systemのハイエンドモデルとエントリモデル。Mahajan氏によると「昨年4月にPureSystemsを発表して以来、顧客から多くの要望や意見をいただいた。そうしたニーズに応えるべく、より柔軟にラインアップを広げた」という。
新製品の詳細については、すでに報道されているので関連記事をご覧いただくとして、ここでは競合製品との差別化ポイントについて語ったMahajan氏の発言を紹介しておこう。
IBMにとって競合となる大手ベンダー各社が現在提供している垂直統合型システムとしては、Oracleの「Exa」シリーズ、Hewlett-Packardの「Converged Infrastructure」、日立製作所の「Unified Compute Platform」、富士通の「Dynamic Integrated Systems」などが挙げられる。
こうした競合製品に対し、Mahajan氏は「PureSystemsは、競合製品にはないパターンテクノロジがある。これによって顧客ニーズに対応できる幅の広さは、競合製品には追随できないと確信している」と力を込めた。
確かにIBMのPureSystems戦略は、用途に応じたPureSystemsのラインアップの拡充とともに、パターンおよび稼働するアプリケーションの拡充をめざしており、これらを横軸と縦軸にした面展開の広がりに注力している。
PureSystemsには最新技術も惜しみなく投入されており、おそらく数年経てば、IBMが打ち出すIT基盤の大半は“PureSystems化”されているのではないか。そう強く感じた今回の発表だった。
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