SAP 安斎社長「極めて歴史的な発表」--基幹系がインメモリに載る日

大河原克行 2013年03月07日 16時44分

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 SAPジャパンは3月7日、東京・有楽町の東京国際フォーラムにおいて、ユーザー向けイベント「SAP Business Suite powered by SAP HANA製品発表会」を開催した。

 SAP Business Suite powered by SAP HANAは、すでに報道発表を行っているが、今回の発表会は5月からの提供開始に向けて、ユーザー企業を対象に新製品の特徴やビジネス価値などの認知を広げるための取り組みと位置づけている。

 SAP本社での導入事例の紹介のほか、SAP ERPユーザーと、SAPのスペシャリストによるパネルディスカションを通じて、SAP Business Suite powered by SAP HANAの特徴を訴求した。

 SAP Business Suite powered by SAP HANAは、トランザクションデータを単一のインメモリプラットフォーム上でリアルタイムに取得し、分析するビジネスアプリケーション。同社では「予測困難な環境においてもリアルタイムでの業務を遂行でき、商機を失うことがない。トランザクションの分析と予測で瞬時に問題を先取りできるようになる。トランザクションシステムとアナリティクスシステムが分断されていたために発生する重複したデータやシステムに伴う複雑さも解消できる」などとしている。

 また、計画、実行、報告、分析といったミッションクリティカルなビジネスプロセスのすべてにおいて、同一のライブデータを使った管理が可能となり、ライブデータに基づいた業務分析と報告を行えるオープン環境も特徴のひとつだとしている。

安斎富太郎社長
SAPジャパンの安斎富太郎社長

 冒頭、挨拶に立ったSAPジャパンの安斎富太郎社長は、「私は30年以上IT業界で仕事をしているが、今日のこの日を興奮して迎えた。今日は極めて歴史的な発表になる。1964年にIBMが発表したSystem 360に勝るとも劣らぬ発表である」と切り出した。

 続けて安斎社長は「SAP HANAは、2006年にドイツのポツダム大学の20代の学生たちがゼロから発想したものであり、インメモリ上にすべてを載せ、既存アプリケーションでも新たなアプリケーションでも動作するようにした。こんなものは10年経っても、20年経ってもできないと考えられていたが、その後、SAPがこれを引き継いで開発を行い、2010年にHANAを製品化。世界第1号ユーザーとして、野村総合研究所が導入した。だが、その当時は情報系の解析を行うものであった。今回の新製品によって、いよいよ勘定系でもHANAが利用できるようになる。10年以上かかるといわれていたものが、最初の発想から7年で、SAP Business Suite powered by SAP HANAとして製品化できた」と述べた。

 さらに「SAPはリアルタイムビジネスの支援を目指してきたが、SAP Business Suite powered by SAP HANAにより、時間や場所、利用者が持つ制約をなくし、リアルタイムビジネスが実現できる。唯一の制約が人のイマジネーションだけとなる。スマーター、ファスター、シンプルが、SAP Business Suite powered by SAP HANAの特徴であり、4000のトランザクションをHANAのなかで処理でき、23の業務アプリケーションを考えられないような速度で動作させることができる。それでいて、構造化データと非構造化データを問わずに、シンプルに単一の処理を実行できる。SAP Business Suite powered by SAP HANAによって、企業経営はどう変わるのか、業務プロセスはどう変わるのかを、今日のイベントを通じて体感してほしい」と語った。

  • リアルタイムビジネスの特徴

  • SAP Business Suiteの特徴

  • エコシステムを含むSAPプロダクトの見取り図

 製品説明とデモンストレーションを行ったSAPジャパン リアルタイムコンピューティング事業本部の馬場渉本部長は、「SAP Business Suite powered by SAP HANAは、データベースの役割を、データ保存からデータ活用へと進化させる製品である。SAPが持つ特殊な技術構造を知らない人でも利用できる自由度の高いものであり、データの複製や移動、事前加工は不要になり、データベース処理が高速であることを前提として最適化した、これまでとは異なる新たな処理が可能になる。超高速化すると業務プロセスがシンプルになり、企業と社員の成長が超高速になる。そして、新たな発想と改善を生むことになる」などとした。

 一方、同社では3月7日から利用ログからの診断サービスを無償で提供することを発表した。

 これはSAPアプリケーションの使用ログ(ワークロードモニタのST03N)をもとに、ユーザーの利用状況において、Suite on HANAのメリットを受ける具体的な業務プロセスなどをトランザクションコードレベルで診断。約1週間で業務改善を議論する叩き台となるものを提供するという。

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