EMC、サーバ向けフラッシュ「XtremSF」提供--スループット向上

大河原克行 2013年03月08日 19時13分

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 EMCジャパンは3月7日、フラッシュ製品群「EMC Xtrem(エクストリーム)」ファミリを発表した。PCIeベースのサーバ向けのフラッシュハードウェアである「EMC XtremSF」のほか、SLCベースのPCIeフラッシュデバイス上で動作するソフトウェア「EMC XtremSW Cache」(旧VFCache)の提供を開始した。

 同社マーケティング本部本部長の上原宏氏は「Xtremファミリは当社にとって、今年度のポートフォリオ強化の第2弾になる。“Flash Everywhere”構想を推進し、業界のテクノロジリーダーシップを発揮する」とフラッシュ製品分野での事業拡大に向けて、強い意欲をみせた。


上原宏氏

永長純氏

 XtremSFは、550Gバイトと2.2TバイトのeMLC(エンタープライズ・マルチ・レベル・セル)と、350GBと70GBのSLC(シングル・レベル・セル)による4つの製品をラインアップしたPCIeベースのフラッシュカード。サーバ内にDASとして設置することで、100万以上のIOPSを実現できるという。

 アプリケーションのレイテンシとスループットを向上させており、他社製品に比べ2倍以上に性能を高めるよう設計されているという。これにより、Oracle DatabaseやSQL Server、Exchange Serverといったアプリケーションでの性能向上を実現している。

 XtremSW Cacheによるフラッシュキャッシュソフトウェアとあわせて導入することで、XtremSFをキャッシングデバイスとして活用でき、データを保護しながら、アプリケーションの性能を高速化できると説明。他社製品に比べて総所有コスト(TCO)を最大50%以上削減できるほか、CPU消費を最大50%低減。高密度化も達成しているという。

 EMCジャパンの永長純氏(システムズ・エンジニアリング本部プロダクト・ソリューション統括部統括部長)は、XtremSFについて以下のように説明している。

 「PCIe x8で70%以上の読み込み帯域幅を持ち、マルチコアワークロードのための並列設計を実現しており、高い耐久性を備えた設計となっている。ランダム4Kによる読み書き、書き込み性能では、40%以上もの性能を向上させ、高性能ローカルストレージとして利用できるのに加えて、読み込み性能向上とデータ保護を実現するキャッシング用途も実現できる。Web 2.0系アプリケーションやVDI(仮想デスクトップ基盤)環境、高性能コンピューティング、高性能トレーディングといった高いパフォーマンスやワークロード処理が求められる用途に適している。分析やレポーティング、データモデリング、データベースのダンプ処理、バッチ処理などの一時的な作業負荷を高速化するといった用途にも活用できる」


XtremSF

 税別価格は91万1880円から。700Gバイトと1.4TバイトのeMLC製品も近日発売予定だという。同社は「XtremSFは、ハイブリッドアレイであるIsilonやVMAX、VNX、そして今回開発を表明したXtremIOとともに、EMCフラッシュ製品群の一角を担うことになる。日本でもしっかりとポートフォリオを拡充していく」と位置付けている。

 XtremSW Cacheは、EMCの長期的なサーバフラッシュ戦略の第1段階と位置付けている製品。サーバのDASとしての機能に加えて、すべてのXtreamSFカードでキャッシュ機能としての使用できる。

 「レイテンシとスループットの大幅な改善と、EMC FASTアーキテクチャをサーバに拡張するインテリジェンス性、そしてリカバリ性に優れた高可用性を実現できる。これにより、ミッションクリティカルなトランザクションや意思決定支援アプリケーションなど、広範なアプリケーションの性能を向上させる」

 XtremSW Cache 2.0は2013年前半に発表予定で、LinuxやAIXのほかに、新たにUNIX環境にも対応していくという。

 一方、2012年5月のXtremIOの買収以降、“Project X”として製品開発を進めてきた、すべてがフラッシュでスケールアウト型で拡張できる、大規模企業向けストレージアレイの「XtremIO」については、最終開発段階であることを示した。

 「最終開発段階とは、すでに特定のユーザーに向けて一部出荷が開始されているが、先行導入ユーザーからの声をフィードバックし、最終的なブラッシュアップに取り組んでいるという意味」(上原氏)

 XtremIOは、運用管理の容易性のほか、オンライントランザクション処理(OLTP)がメインのデータベースやサーバ仮想化、VDIといった高いレベルのランダムなI/Oを必要とするアプリケーションに対し、高水準なIOPSを提供できると強調。クラスタ単位でのスケールアウトが可能であり、10万~100万IOPSを実現できると説明している。

 XtremIOでは、ミリ秒以下の応答時間でデータサービスを提供できるという。同時にフラッシュ専用データ保護やシンプロビジョニング、重複排除、VMwareプロビジョニングの高速化、書き込み可能なスナップショットなどの統合サービスを提供するという。

 PCIeに対応したフラッシュメモリによるアプライアンス製品として開発を行っていた「Project Thunder」については「Xtremで実現できると判断し、開発を中止した。Project Thunderに関わっていた技術者は、フラッシュ製品群に関わる様々な部門に散らばっている」(上原氏)と説明している。

  • Xtreamファミリ

  • Xtreamの活用形態

  • XtreamSFの特長

  • XtreamSW Cacheの特長

  • XtremeIO

  • フラッシュ製品の構成

  • XremeSFのラインアップ

  • アプリケーションのパフォーマンスを高められるという

ZDNet Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

この記事を読んだ方に

関連ホワイトペーパー

連載

CIO
IT部門の苦悩
Rethink Internet:インターネット再考
インシデントをもたらすヒューマンエラー
トランザクションの今昔物語
エリック松永のデジタルIQ道場
研究現場から見たAI
Fintechの正体
米ZDNet編集長Larryの独り言
大木豊成「仕事で使うアップルのトリセツ」
山本雅史「ハードから読み解くITトレンド放談」
田中克己「2020年のIT企業」
松岡功「一言もの申す」
松岡功「今週の明言」
内山悟志「IT部門はどこに向かうのか」
林 雅之「デジタル未来からの手紙」
谷川耕一「エンプラITならこれは知っとけ」
大河原克行「エンプラ徒然」
内製化とユーザー体験の関係
「プロジェクトマネジメント」の解き方
ITは「ひみつ道具」の夢を見る
セキュリティ
「企業セキュリティの歩き方」
「サイバーセキュリティ未来考」
「ネットワークセキュリティの要諦」
「セキュリティの論点」
スペシャル
ざっくりわかるSNSマーケティング入門
課題解決のためのUI/UX
誰もが開発者になる時代 ~業務システム開発の現場を行く~
「Windows 10」法人導入の手引き
ソフトウェア開発パラダイムの進化
エンタープライズトレンド
10の事情
座談会@ZDNet
Dr.津田のクラウドトップガン対談
Gartner Symposium
IBM World of Watson
de:code
Sapphire Now
VMworld
Microsoft WPC
Microsoft Connect()
HPE Discover
Oracle OpenWorld
Dell EMC World
AWS re:Invent
AWS Summit
PTC LiveWorx
より賢く活用するためのOSS最新動向
古賀政純「Dockerがもたらすビジネス変革」
中国ビジネス四方山話
ベトナムでビジネス
米株式動向
日本株展望
企業決算