日本IBMは3月12日、電子メールやカレンダー、承認ワークフローなどの機能を社内システムとして提供するソフトウェア「Notes/Domino」に、ソーシャルメディアや基幹システムといった外部からの通知をタイムライン画面に表示し、その場で承認や返答などのアクションが起こせる機能を追加した新版を発表した。
新版は「IBM Notes/Domino 9.0 Social Edition」。ライセンス費用は1ユーザー当たり2万3600円。日本IBMおよびパートナー企業が販売する。既存のNotesユーザーにソーシャルの新機能を提供する一方で、新規ユーザーの獲得も視野に入れている。
新製品の追加により、企業向けソーシャルウェア製品であるIBM Connections 4のうち、ファイル機能、プロフィール機能、マイクロブログ機能がNotes V8.5.3以降に新たにバンドルされる。従来から、Notes画面のサイドバーでソーシャル機能の一部が使えたが、今回はいわゆるタイムライン形式の情報を閲覧する「Activity Stream」が新たに加わった。
このほか、モバイル対応も強化。新版はiOSとAndroid搭載のスマートデバイスからメール、カレンダー、アドレス帳にアクセスする機能を標準で搭載した。さらに、既存のNotesのデータベースを改修することなく、ブラウザ上でデータを操作するプラグインとして「Notes Browser Plug-in」も提供。ウェブブラウザからメール機能を簡単に操作できる「iNotes Web Access」もリリースした。
アプリケーション開発機能を強化したのも4つ目の特徴として挙げた。さまざまなデータを自由度の高いレイアウトで統合して表示できるXPagesもV8.5から追加。V9からはモバイルデバイス用のパーツ群も標準で提供する。
IBM Connections Suite 4.5を発表
日本IBMはこの日、Connectionsの新版として「IBM Connections Suite 4.5」の提供を発表した。同スイートを構成するConnections Content Manager 4.5は、コンテンツ管理機能を企業向けソーシャルネットワーク機能に統合させるもの。Connections 4.5は、タグ、フォロー、いいね、コメントといったFacebookで親しまれているような機能を企業向けに応用したソーシャルウェアだ。
「ソーシャルとモバイルの利用は加速するものの企業での利用は発展途上」と話した日本IBMのヴィヴェック・マハジャンソフトウェア事業担当執行役員
発表した新製品の提供時期は、Notes/Domino 9.0 Social Editionは3月21日にダウンロード提供を開始する。IBM Connections V4.5 with IBM Connections Content Manager V4.5およびIBM Connections Suite V4.5はいずれも3月29日にダウンロード可能になる。
Connectionsのユーザーである栗本鐵工所は、事業部をまたがった利用を想定したときに、データの整合性維持や利用者単位でのセキュリティ設定、メンテナンス性やアクセス分析などの運用管理性の高さを評価して採用を決めたとしている。
また、ローランドは、Twitterのように気軽に情報を発信する仕組みを社内に組み込めたことで、利用者が仕事とプライベートを切り分ける必要がなくなったとする。海外のグループ会社にも広がった場合、24時間いつでも情報が発信される環境を整えられるとしている。