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新中期経営計画にみるセイコーエプソンの事業構造改革の要諦

大河原克行

2013-03-19 12:19

 セイコーエプソンは、2015年度を最終年度とする「SE15 後期 新中期経営計画」を発表。その中でコンシューマー偏重型となっている事業構造の改革に挑む姿勢を明らかにした。

 同中期経営計画では、2015年度に売上高で9300億円、営業利益で500億円、営業利益率は5.4%を目指す。

 同社では、長期ビジョンである「SE15」に基づき、2009~2011年度の「SE15 前期 中期経営計画」と、2012~2014年度の「SE15 後期 中期経営計画」を実行してきた。だが、東日本大震災やタイの洪水の影響に加え、2012年度からの後期中期経営計画で想定以上に厳しい事業環境が続いたことから業績予想を下方修正。中期計画で定めた戦略の有効性や業績目標の合理性を見直し、今回新たな計画を策定した。


碓井稔氏

 セイコーエプソン代表取締役社長の碓井稔氏は、「前回の中期計画は、高い売上高成長を前提としたが、新たな中期計画では、売上高を過度に追わず、着実に利益を生み出すマネジメントの推進を基本に据える。2012年度の利益水準をボトムとし、安定的な利益創出を最優先する」と語る。

 売上高目標は、年間200億円の成長を維持。営業利益は年間100億円の成長を目標とするほか、売上高経常利益率(ROS)10%、自己資本利益率(ROE)10%以上を継続的に生み出すことを目指す。碓井氏は「業績目標の達成については、自信を持って達成できると考えている。重要なのは体質の転換」と語る。

 碓井氏が見据えているのは、2016年度からの次期中期計画での成長戦略だ。2016年度からの次期中期計画では「コンシューマー向けの画像・映像出力機器中心の企業」から「プロフェッショナル向けを含む新しい情報ツールや設備をクリエイトし、再び力強く成長する企業」を目指すことを掲げる。

 「今成長を加速させると、どうしても売り上げが立ちやすいコンシューマー製品に力を注いでしまう体質がある。結果として薄利多売に走ることになり、成長戦略が壁に当たってしまうことになる。この3年間で、コンシューマー事業とビジネス分野、産業分野にバランスよく取り組むことができる体質を作り上げ、社員のマインドも変化させる。モノを売るだけでなく、コトを売るための基礎体力と知力をつけることに力を注いでいく」(碓井氏)

 新年度から事業セグメントの名称を変更。主軸となる「プリンタ事業」を「プリンティングシステム事業」へと変更したことからも、モノからコトへの体質転換を目指していることがわかる。碓井氏は「全速力で走ったときに、コケない体質作り」と表現する。3年後の全力疾走に向けた体質転換が、この新中期計画の狙いとなる。

 セグメント別では、プリンティングシステム事業で「インクジェット技術により、新次元のプリンティング環境を創造する」が目標。その中で「インクジェットプリンタの小型化による競争力強化」「ホーム領域でのモデルミックスの改善」「オフィス向けインクジェットプリンタの展開を加速」「エマージング市場で高収益ビジネスモデルを確立」「商業プリンタの領域を拡大」「ビジネスシステム事業で着実な収益成長を実現」――という6つの重点項目を挙げている。

 2012年度には、新型ピエゾヘッドの量産投資がほぼ終了。この新型ヘッドを搭載したモデルを2013年度から投入することで、さらに競争力を強化するという。

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